1997 Fiscal Year Annual Research Report
大学入試問題に対するRule Space Modelを用いた認知論的内容分析
Project/Area Number |
09710117
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Research Institution | National Center Test for University Admissions |
Principal Investigator |
平 直樹 大学入試センター, 研究開発部, 助手 (60236172)
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Keywords | Rule Space Model / Rule Space Methodology / attribute / knowledge state / 学力診断 / 日本語語彙理解テスト / 項目反応理論(IRT) / 大学入試問題 |
Research Abstract |
1.Rule Space Model Rule Space Model(RSM:近年、Rule Space Methodologyと呼ばれることが多い)は、ETSのK.K.Tatsuoka主任研究員によって、1980年代から開発されたテストによる学力診断の方法である。元々、算数課題において子どもたちが犯す誤りの法則を摘出するために考案されたが、現在ではより汎用性の高いものとなっている。しかしながら、新しい分野に応用するときには、RSMは適用可能かどうかを慎重に吟味する必要がある。 2.日本語語彙理解テストに関する予備分析 平ほか(1995)で作成された高校生程度の日本語語彙理解テストのうち、30項目を選び、Think-aloudプロトコルの分析からattributesを作成したが、knowledge stateへの分類成功率は約40%程度と極めて低かった。 3.専門家によるattributesの見直しと再分析 高校の国語教師2名の協力を得てattributesを改良した。最終的に21個のattributesが得られた。修正したattributesを用いてデータの再分類を行ったところ、80.5の分類成功率が得られ、日本語語彙理解テストにおいてもRule Space Methodologyが有効な学力診断方法であるという感触が得られた。 4.研究成果の発表 平成9年度教育心理学会総会、20th Language Testing Research Colloquiumで研究成果を発表した。また、大学入試センター研究開発部セミナーで成果を披露した。来年度もAnnual Meeting of Psychometric Society平成10年度教育心理学会総会で引き続き研究成果を発表する予定である。
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[Publications] 平直樹・スコット寿美・笠居昌弘: "Rule Space Methodologyによる日本語語彙理解テストの分析" 日本教育心理学会第39会総会発表論文集. 356 (1997)
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[Publications] Taira,N., Scott,H.S., &Kasai,M.: "Providing diagnostic information for understanding students learning processes." Program and Abstracts:20th Annual Language Testing Research Colloguium.53 (1998)
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[Publications] 平直樹・スコット寿美・笠居昌弘: "Rule Space Methodologyによる日本語語彙理解力の診断" 日本教育心理学会第40回総会発表論文集. (印刷中). (1998)
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[Publications] Taira,N., Scott,H.S., & Kasai,M.: "Cognitive analysis of A Japanese Vocabulary Test by The Rule Space Methodology" Program and Abstracts:1998 Annual Meeting of the Psychometric Society. (in press). (1998)