1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09710126
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
藤松 素子 福島大学, 行政社会学部, 助教授 (40261721)
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Keywords | 地域生活形成支援 / 在宅介護支援センター / ケアマネジメント / ケアプラン |
Research Abstract |
1.地域生活形成支援の具体的な取り組みと、そのシステムの構築について国内での動向を文献・報告書等から検討した。具体的には、「高齢者保健福祉推進十か年戦略(ゴールドプラン」以降、各地で設置されている在宅介護支援センター(以下、在介センターと記す)を中心とした支援システムの内容を把握する作業を行った。まず、当該地域に設置以前に生活形成支援の素地があったか否かで、在介センターが円滑に運営されているかどうかに差がみられること。また、在介センターの設置形態や相談員の専門性如何によって、地域のセンターとしての機能に様々な格差が生じていることが明らかになっている。さらに、ゴールドプランにおいて想定されているように、中学校区に1カ所の割合で設置されているところでは、アウトリーチを主軸とした問題発掘的な手法で実践が展開されており、連絡を受けたあと迅速に訪問相談を実施したり、サービス導入後のチェック機能がはたらいている事例がみられる。しかしながら、多くの在介センターでは、各自治体で便宜的に設定した対象地域内における相談業務に限定しても、必ずしも充分に実施できているとはいいがたいのが現状であるようだ。 2.国内での在介センターが抱える諸問題は、本研究の主たる対象地域である福島市においても同様なことが指摘できる。在介センターの母体組織が医療機関である場合と福祉施設である場合では、その運営に差が生じており、市直営のセンターとの違いも明らかになっている。また、相談件数にもばらつきがみられ、多くの場合、電話相談のみの対応となっていることも指摘できる。さらに、ケアプラン作成過程における他機関との連携も、当該センターの地域内での位置づけや相談員の専門性・経歴によって格差が生じてきていることが明らかとなった。
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