1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09710187
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
金子 勉 大阪教育大学, 教育大学, 講師 (40263743)
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Keywords | 大学 / 教育 / 教員 |
Research Abstract |
平成9年度は、ドイツの大学における教育人事に関する文献および資料を収集するとともに、関連する事項として踏まえておくべき日本の教員人事に関する資料を収集し、これらの解釈と分析を進めた。まず、文献によると、痛切に疑義があることが明らかになった。一般にドイツの大学では学内での昇任が禁止されているといわれる。たしかに、これまでに実施された比較研究によって、複数の大学に勤務した経験をもつ教員が比較的多数であることを確認できる。しかし、その一方で、これまでに複数の大学に常勤にて勤務したことのない教授も少なくない。そこで、このような実態の基礎となる人事の仕組みに着目すると、これまで禁止されているといわれてきた学内での昇任に例外があることを確認することができる。それは学内の教員が他大学の人事において招聘候補者名簿に記載されたときである(通常3名の候補者に順位をつけて任命権者へ上申する)。この場合には、その者が教授として招聘される資格を有すると見なして差し支えない。さらに、教授以外の官職についても、大学間を移動するのが当然のことと思われているが、それは学内からの任用が法的に禁止されているからではない。教授以外の官職への任用は教授の任用とは異なる手続きで行われる。例えば、講師と教授の職務には重複が多く、また両者の任用の条件(資格)は同一であるが、学内の助手等から講師への昇任は禁止されていない。目下、推進している資料の分析は、上記の認識を基礎として行っている。
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