1997 Fiscal Year Annual Research Report
市民文化活動を活用した人権教育計画の策定に係わる地域社会特性に関する比較研究
Project/Area Number |
09710189
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
芝山 明義 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助手 (10243742)
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Keywords | 市民文化活動 / 人権教育 / 地域社会 / 地域教育計画 / 教育課題 / 演劇 |
Research Abstract |
本研究では、都市圏の、被差別地域を含む地域社会における市民文化活動に関するこれまでの調査研究をもとに、その人権教育への活用のための計画策定を条件づける地域社会特性を、対照的と想定される地域社会の事例との比較検討により検証することを目的として、研究計画にしたがい、本年度には以下の調査研究を実施した。 1.被差別地域を含む地域社会における人権教育の展開に関する理論的研究として、主として被差別地域を含む地域社会の教育課題とくに生涯学習・学校教育における人権教育の課題に関する実証的調査研究の理論的再検討のため、地域社会における教育計画に関連する国内外の文献ならびに地域社会における体系的な人権教育実践の理論的考察に必要な国内外の文献を広く収集して検討した。2.都市圏に対比される地方における市民文化活動と人権教育実践に関する現地調査と関連資料収集として、徳島県において被差別地域を中心に実施されているいくつかの地域文化活動と人権教育実践に関して、活動関係者、関連行政職員等への聞き取り(ヒアリング)、当該活動の現地調査、及び実態把握のための諸統計等の各種資料を収集した。3.都市圏における市民文化活動に関する現地調査と関連資料収集として、大阪府豊中市の事例についての現地訪問と資料収集を本年度も継続しておこなった。以上、本年度中に実施した調査等にもとづき収集した資料についての検討・分析にあたり、理論的な検討を踏まえつつ、対照的な事例を比較検討するための理論的枠組みを設計している。これまでの考察から、行政機関と地域住民との関係のあり方、一般行政と教育行政との連携のあり方等に差異が認められ、したがって、これらを生起させている地域社会特性としての経済的、社会的、文化的諸条件を明確にし得るような総合的な観点から、実践的課題を総合的に分析していく枠組みの意義と必要性が再確認されている。
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Research Products
(1 results)