1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09710205
|
Research Institution | Kyushu Kyoritsu University |
Principal Investigator |
千々布 敏弥 九州共立大学, 経済学部, 助教授 (10258329)
|
Keywords | 市町村教育委員会 / 意思決定 / 単独事業 |
Research Abstract |
本研究は,地方自治体の予算編成過程上,下位に位置づけられている教育委員会が,新規の事業(特に国庫金の配分が見込めない単独事業)を新年度予算案に盛り込むことに成功した際に,その事業案のイニシアティブの所在,意思決定過程における主要因を調査し,新規の事業を意思決定する際のパターンを抽出することを意図している。 初年度は,先行研究の分析と,単独事業の実施例の調査を行った。 例えば,ある市においては,不登校児の受人れ施設(適応指導教室)を文部省から補助金が出る人数を超えて教員を雇用し(市単独),適応指導のみならず,学習指導も行っている。そのような取り組みをしている適応指導教室は付近の市町村にないところから,全県的に児童生徒を受け入れることとなっている。 このように突出した事業を実施している市町村をいくつかインタビュー調査したが,その実現に寄与しているのは,ほとんどが市町村長等の首長部局のリーダーと教育委員会事務局の中間的リーダーのイニシアティブであった。また,そのような市町村の教育費は他市町村に対して突出していることが予測されるが,そうではない市町村もある。それは,必要な予算を教育費に計上せず,社会教育費や民生費に計上していることによる。 これらの事例調査をふまえ,次年度は郵送法による統計調査を実施する予定である。
|