1997 Fiscal Year Annual Research Report
子どものバーチャルリアリティ体験に関する実証的研究
Project/Area Number |
09710213
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Research Institution | Hijiyama University Junior College |
Principal Investigator |
湯地 宏樹 比治山女子短期大学, その他部局等(幼児教育科), 講師 (50290531)
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Keywords | バーチャルリアリティ / コンピュータゲーム / インターネット / パソコン / 保育環境 / 遊具 / 遊び / 幼児 |
Research Abstract |
本研究の目的は,1.自然環境での直接体験とバーチャルリアリティ体験との相違を明らかにすること,2.インターネットを含むバーチャルリアリティの教育的可能性、攻撃性などの問題点、影響面を明らかにすることである。 平成9年度は「幼児のパソコン体験に関する事例的研究」を行った。具体的には,本学付属幼稚園にパソコンを設置し,いくつかのコンピュータゲームソフトをパソコンのハードディスク上にインストールしておき,子どもたちが選択しやすいようにした。パソコンの扱い,ゲームの選択など,まったく自由な状況での遊び場面において,パソコンにかかわる園児の様子をビデオカメラに録画した。調査時期は平成9年10月〜平成10年1月で週に3回程度,調査時間は9:30〜10:30の間である。 保育場面における遊び環境の一つとしてパソコンを設置した場合,従来の遊具とは異なる点が観察データから見いだされた。まず第一に,パソコンを介した園児同士の相互作用がほとんどない点を指摘できる。パソコンによる人間関係の育成は望めない。第二に,パソコン遊びは,それを扱うものと傍観するものと役割がはっきりと区別されている。パソコンを保育環境の一つの遊具として位置づけるためには,充分の台数が必要だろう。第三に,パソコンは遊び欲求を満たす応答的環境としての役割を演じている特徴があるが,幼児にとっては,操作性や内容の理解性等,困難な点が多く高度な玩具にすぎない面もある。 平成10年度からも本調査を継続して行うととともに,バーチャルリアリティ・ゲーム体験,インターネット体験などの調査や実験を加え,バーチャルリアリティの問題を実証的に明らかにしていく。
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