1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09710219
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Research Institution | National Institute of Special Needs Education |
Principal Investigator |
久保山 茂樹 国立特殊教育総合研究所, 聴覚・言語教育研究部, 研究員 (50260021)
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Keywords | 障害児 / コミュニケーション / 音声情報処理 / 言語発達 / 幼児 / 音楽 / 音楽 / 動作 |
Research Abstract |
本研究の目的は、障害幼児において動作表象形成と音声言語発達とがどの様に関連しているかを明らかにすることにある。2年計画で実施中であり、今年度は障害幼児通園施設在籍児28名を対象に、歌遊び『げんこつ山のたぬきさん』の場面を観察し、聴覚情報(音素材)や視覚情報(見本動作・首の動きなど)の提示条件による対象児の音声と動作の受信一発状況を分析中である。また同様に過去資料収集した約250事例もあわせて再分析中である。 今年度の分析では歌遊びにおける行動のゆれに着目した。情報の提示条件によって対象児の行動がどの様に変化するかを縦断的に分析した。その結果、歌の速さや伴奏の有無といった条件の変化により、それがわずかであっても対象児の行動が大きく変化することがわかった。また、対象児の情報処理能力が向上し、歌遊びの動作表象や音声言語(歌詞)の正確な記憶・再生が可能になるにつれて、条件の変化への対応が可能になっていくことがわかった。歌遊びは日常の保育・教育活動で広く使われている。本分析の結果からは、対象児一人ひとりのその時々により最適な聴覚情報、視覚情報の提示条件があり、それを踏まえて歌遊びを行っていくことが肝要であると考えられた。 上記の研究成果については国立特殊教育研究所紀要に発表した。2年次目には、(1)歌遊び場面の資料収集・分析の継続、(2)過去の資料とあわせて類型化、(3)歌遊びを利用した保育・教育実践に関する資料収集と整理を実施する予定である。
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Research Products
(1 results)