1997 Fiscal Year Annual Research Report
アンシアン・レジーム期フランスの地方治安維持組織の研究
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09710271
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
正本 忍 長崎大学, 環境科学部, 講師 (60238897)
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Keywords | マレショーセ / 治安 / 裁判 / 軍隊 / アンシアン・レジーム / マルジノ- / ノルマンディー / フランス |
Research Abstract |
本年度の作業の中心は、手許にある手稿史料のコピー及びマイクロフィルムをできるだけ読み進めることであった。その際のアプローチの枠組みは、マレショーセの組織、職務、マレショーセを取り巻く諸権力との関係の3点である。本年度は、手稿史料では特にセ-ヌ=マリティーム県文書館の地方長官文書(serie C)と国立古文書官のコネタブリ文書(serie Z^<1C>)を読み進め、特にマレショーセの組織面にアプローチした。また、法令類や同時代文献によってマレショーセ全般に関する制度的なアプローチを行なっている。さらに、他の地方のマレショーセとの比較、マレショーセに関わっている諸機関とマレショーセとの関わり方、マレショーセと地域住民との関係などの観点から、関連領域の文献を読み進めている。 その他の作業としては、マイクロフィルムをプリント・アウトはほぼ終了した。咋年の夏には、フランスに短期滞在し(私費)、史料の補充を行なった。コンピュータ購入後は、マレショーセの成員に関する情報のデータ・ベース化、史料に見られる様々な書式の入力も少しずつ進めている。 本年度は、フランス滞在中や東京、京都、福岡などの学会、研究会の折に、内外の研究者と意見や情報を交換したが、報告や論文にまとめるまでには至らなかった。しかし、これまでの作業で、アプローチのより細かな枠組みもできたので、来年度の半ばから研究をまとめる作業を徐々に始められると考えている。
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