1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09710277
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
高久 健二 埼玉大学, 教養学部, 助教授 (00281197)
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Keywords | 三韓 / 楽浪郡 / 漢 / 古墳 |
Research Abstract |
1. 三韓時代の墳墓と密接な関係のある楽浪郡の墳墓について、詳細なデータベースを作成した。データベースは総数540基の古墳について、外表施設の形態、埋葬主体部の形態、副葬遺物の配置・種類・量、銘文資料などの文字データと画像データを入力し作成した。また、東洋文庫所蔵梅原考古資料を用いて、発掘調査報告書が刊行されていない未報告資料もデータに含めることができた。 2. 1のデータベースを時期別・地域別に類型化し、分析した結果、楽浪郡の漢式遺物は紀元前1世紀後半に平壌地域を中心に増加し、紀元後1世紀にピークに達するが、2世紀になると減少し、3世紀になると再び増加するという変化が認められ、漢の郡県である楽浪郡においても漢式遺物の導入には変異のあることを明らかにした。また、埋葬方式についても漢とは異なる独自性が見られ、とくに夫婦合葬の形態を分析することによって、楽浪郡の家族制にアプローチできる見通しを得ることができた。 3. 三韓時代の墳墓における漢式要素導入のプロセスを検討した結果、やはり紀元前1世紀代と紀元後3世紀代にピークがみられ、2の分析結果と一致することが明らかになった。このうち、とくに3世紀代は三韓時代から三国時代へと移行する画期に該当し、中国系要素の導入は朝鮮半島南部地域における国家形成と密接な関係があったことを明らかにした。 4. 上記の内容のうち、2と3の成果についてはすでにその一部を国際シンポジウムや雑誌論文で発表しており、1の成果についても今後、公表していきたいと考えている。
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Research Products
(1 results)