1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09710301
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Research Institution | The National Institute for Japanese Language |
Principal Investigator |
笹原 宏之 国立国語研究所, 言語体系研究部第三研究室, 文部教官 (80269505)
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Keywords | 地名 / 小字 / 小地名 / 字 / 漢字 / 国字 / 地域文字 / 方言 |
Research Abstract |
小地名の大規模な資料として、『国土行政区画総覧』1995.08現在号を基礎資料とし、そこに記された小字・通称地名のうち、国語資料としての価値が高いと考えられるものについて、文字列と読みと所在を入力した。さらに微細地名・消滅地名における用例を補うため、同書初号、除去号、『角川日本地名大辞典』所載「小字一覧」 (約300万件)などを補助資料とし、その小地名使用漢字の全数を調査し、用例を引き出し、入力した。『国土』のチェックは継続中であるが、『角川』の小字からの入力は完了した。「全国町・字ファイル」は適宜参照した。ほかに、『朝日新聞』や高校教科書、個人の記憶内における地名の漢字などについての調査も追加した。これと並行して関連資料の購入を始め、その内容について分類・整理を行った。この結果、地名特有の字や音訓かと思われていたものでも、実際には歴史的な資料などに存在していた例が、いくつも確認された。これらの分析を進め、調査研究の結果を発表した。この成果は一例に過ぎず、さらに調査を継続している。 1 「アゼ」の方言形の分布と、「畦」 「畔」の地名訓の分布とを取り上げ、比較検討した結果、方言資料では覆えなかったり、さかのぼれない方言形の分布や方言釧多数を確認した調査は、国立国語研究所の論集に論文として掲載。 2、 「町」 「村」の読み方の地域差について専門誌に寄稿。 3、 「艝」 (そり) 「轌」 (そり)「鱈」など「雪」を含む地名国字の歴史と分布を論文として、商業誌に寄稿。 4、 「范」 (やち) 「葛」など『朝日新聞』に現れた地名とその字体、頻度などについて論文をまとめ、学会誌に投稿。 5、 「蛎」 (かき) 「砺」 (と) 「辻」 「鈬」 (ぬで) 「粐」 (ぬか)など地名に使われる字などの字体に対する選択行動について論文にまとめ、学会誌に投稿。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 笹原宏之: "字体に生じる偶然の一致" 日本語科学. 1. 7-23 (1997)
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[Publications] 笹原宏之: "文字から見た日本語らしさ" 日本語学. 7月号. 23-34 (1997)
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[Publications] 笹原宏之・横山詔一・野崎浩成・米田純子: "『朝日新聞』のCD-ROMを紙面における幽霊文字と辞書非掲載字" 計量国語学. 21・4. 145-161 (1998)
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[Publications] 笹原宏之・横山詔一・野崎浩成: "異体字に対する「好み」と「なじみ」の相関関係" 人文科学とコンピュータ(統計数理研究所). 91-100 (1998)
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[Publications] 笹原宏之・横山詔一: "異体字選択に影響する要因" 計量国語学. 21・7. 291-310 (1998)
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[Publications] 笹原宏之: "漢字教育と表外字" 日本語学. 4月号. 47-57 (1998)
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[Publications] 横山詔一・笹原宏之ほか: "新聞電子メディアの漢字" 三省堂, 300 (1998)