1997 Fiscal Year Annual Research Report
「香港文学」の整理とその位置づけのための基礎的研究
Project/Area Number |
09710329
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
西野 由希子 茨城大学, 人文学部, 講師 (40262357)
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Keywords | 香港文学 / 中国近現代文学 / 華文文学 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画に基づき、以下のように研究を進めた。 1 資料の調査・収集 「香港文学」に関するデータベース作成のための資料収集に努めた。 単行本・叢書、〈香港文学〉などの評論誌・文学雑誌などをチェックし、必要なデータを集めている。研究二年目の10年度には、それらのデータを整理し、まず数人の作家を選んで、作家ごとの資料として公表したい。内容は、経歴など作家に関する基礎事項、作品目録、論文の目録、日本語の翻訳目録、などが中心になる予定である。 2 「香港文学」作品の分析 特に、西西・也斯・施叔青という3人の作家の作品をとりあげて読みを深め、分析・評論に取り組んでいる。 その一環として、4月に評論「香港映画の“記憶"と“失憶"」(洛楓著)、6月に小記「記憶の街・虚構の街」(也斯著)の翻訳を雑誌に発表した。また、8月には、日中共同開催の国際シンポジウム「新時記文学対話会」(北京)に出席し、これまでの考察をまとめて、「香港文学試論」というタイトルで報告した。 その後、このとき得られた意見なども参考にして考察を続けており、「西西作品の芸術性」、「施叔青論」の2本の論文を執筆中である。また、10年度には、各作家論からさらに視点を広げて、「香港文学」の位置づけという大きな問題にも自分なりの答えを出していきたいと考えている。
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