1997 Fiscal Year Annual Research Report
民族の記憶としてのモスクワ公園揺盤期研究(ロシア諸年代記の文献学的考察)
Project/Area Number |
09710360
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
三浦 清美 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (20272750)
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Research Abstract |
申請時には、1文献の精読、2文献精読の補助手段としてのデータ・ベース化を本研究課題の二つの柱として申告したが、決定額が申請額より下回ったため課題2を切り捨てざるを得なかった。従って、研究実績は資料の収集、読解、分析の分野に限られる。申請書にも記した通り14・15世紀ロシアは東スラヴ民族としての伝統とキリスト教的伝統が独自の仕方で隔合を遂げ、西ヨーロッパとも、やがてイスラムを受容する中央アジアとも異なる一つの文化的統合体として成立する。この文化的統合体の生理こそがロシアが世界帝国として発展をとげる際の核になると筆者は考え、14・15世紀ロシアにおけるモスクワ国家、正教会、民衆の共生関係を年代記の比較研究によって明らかにすることを課題とした。上記課題のため資料を収集、分析し、それに伴う研究指導をロシア人専門研究者に仰いだ。
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