1997 Fiscal Year Annual Research Report
鹿児島市アクセント・イントネーションの統合化と多様化-アクセント・イントネーションの方言度認知の点から-
Project/Area Number |
09710378
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
太田 一郎 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (60203783)
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Keywords | 中間方言 / からいも普通語 / ネオ方言 / 変異理論 / 鹿児島アクセント / 方言の統合化・多様化 |
Research Abstract |
鹿児島市方言で進行中と思われる音調面での変化の実態をとらえるために、今年度は以下の二つの調査を行った。以下その概要と進行状況及び結果を記す。 調査(1) 1)若者ことばのアクセント・イントネーション特徴を確認するために、友人同士の自然談話を収集した。話者は鹿児島市出身の20歳前半の若者で、2〜3人を1グループとして男性15人女性23人のデータを集めた。このうち鹿児島市話者は男性8名、女性13名である。時間は1時間程度。 2)自然談話の参加者に1人20〜30分程度の個人面接を行った。単語表・文章の読み上げと、面接者との10分程度の談話で構成されている。 3)この調査は現在も続行中である。この後、高校生数人に同様の調査を予定している。この方法で収集されたデータは現在文字起こしを行っている。 調査(2) 1)場面差をみるために、家族との会話、友人との会話、目上の人との会話の3場面で自然談話のデータを収集した。話者は大学生と社会人の20代の話者のみである。話者は男性6人、女性6人の12人。調査は完了。 2)鹿児島方言の音調面の変化をいくつか発見した。 a.B型アクセントの語のA型化 b.無声母音、連母音の後半部などのアクセント単位化 c.複合名詞アクセント付与規則の拡張 などである。これらの現象は在来方言アクセントでは見られなかったものであり、中間方言「からいも普通語」の音調面での特徴を表すものと考えられる。 これらの結果を踏まえ、次年度は録音テープを被験者に聞かせて、(1)若者がどのようなアクセント・イントネーションパターンを方言または共通語と認知するか、(2)鹿児島市方言のアクセント・イントネーションに中間方言形は存在するか、などの点を中心に調査する予定である。ただし、現在のところイントネーション面での特徴を発見するには至っていないので、調査項目に加えることができるかどうか現時点ではわからない。
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