1997 Fiscal Year Annual Research Report
中央コイサン諸語の比較研究のための多言語データベース構築の試み
Project/Area Number |
09710380
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
大野 仁美 麗澤大学, 外国語学部, 講師 (70245273)
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Keywords | 中央コイサン語 / 多言語データベース |
Research Abstract |
平成9年度は「中央コイサン語の比較研究のための多言語データベース作成」の初年度として、当初の計画に沿って、1,資料の収集 2,個別語のデータベース作成 3,個別語の記述・分析を進めた。 1,既にある中部コイサン語資料を購入および複写によって収集し、文献目録を作成中である。また同時にその記述・分析のために必要な言語学関係基本文献および人類学分野の資料も収集した。文献収集は、当初の予定通り平成10年度も継続して行う。 2,多言語データベース作成の第一歩として、収集した文献の語彙項目の各言語別データベースの作成を進めた。今年度は、Naro語とNama語に取り組み、ほぼ終了段階にある。これらは、それぞれの語彙(現在のところ表記は各々の言語の表記法によっている)に、最大(1)トーン、(2)品詞等の文法情報、(3)意味、(4)例を記述する形式で構成されている。今後はこれらに|Gui語その他を加え、統合し、多言語データベースを構築していく。そのため、平成10年度には、それぞれの個別言語のデータベース作成に加え、全体の音声表記を一定のもの(IPAの使用を予定している)に置き換えることと、それぞれの言語の語彙データをつなぐための共通の意味項目の設定を行う。 3,1996年および1997年の現地調査によって研究代表者が得た、Tshera語(未記述の中部コイサン語である)の音韻体系(特にクリック・ロスに関して歴史言語学的な観点から)および文法体系の記述・分析を進めている。この言語の資料は、系統的に最も近い|Gui語・||Gana語の資料に追加する形でデータベースに加えていく予定である。また、保存および音響分析に耐えうるようにデジタルで音声資料のコピーおよび編集の作業を進めた。
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