1997 Fiscal Year Annual Research Report
米国環境政策におけるテレビ報道、議会審議および選挙の連関に関する研究
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09720057
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
細野 豊樹 共立女子大学, 国際文化学部, 専任講師 (10272478)
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Keywords | 米国 / 環境政策 / メディア報道 / テレビ報道 / 新聞報道 |
Research Abstract |
米国の環境政策に関するテレビ報道としては、Earth MattersシリーズなどCNNの取組みが充実している。本年度は主にCNNの環境報道につき、インターネットWWWによりデータ収集を行った。またABC放送については、同局の環境関連ニュース報道をまとめたビデオを入手した。米国テレビ局の環境報道は全般的に充実しており、米国政治においてはテレビ報道の権威が我が国と比較して相当高いことに鑑みれば、米国の環境政策の形成に無視できない影響を与えていると思料される。 今年度のテレビ、報道分析において予定外であったのは、米国テレビ局の報道のスクリプトをまとめたCD-ROMデータベースが製造中止となっていたことである。このため環境間題に関するテレビ報道量に関する円滑な分析に支障が生じたので、報道量に関してはとりあえず過去の研究から類推することとした。1970年代に関する米国の研究が示しているのは、環境をめぐるテレビ報道、新聞報道、雑誌報道そして世論の動向には、高い相関関係がみられるということである。 環境政策とメディア報道というテーマに関しては、国際比較を行うことにより米国の特色をより鮮明にすることが可能である。こうした観点から今年度は近年の我が国と米国の環境報道の比較を行った。テレビ報道の比較が最も望ましかったものの、データ入手が容易でなかったため、新聞報道量の比較で代替した。米国ではテレビ報道と新聞報道の相関が高いことが、過去の研究から導かれる。また我が国についてはテレビ局は新聞社の系列が多いため、テレビ報道と新聞報道の相関を想定して差し支えなかろうと考えられる。地球温暖化とリサイクルをめぐる報道パターンが、日米でやや異なるという結果が得られた。
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