1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09730031
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
大森 義明 富山大学, 経済学部, 助教授 (10272890)
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Keywords | 離職 / ジョブ・マッチ / 競合リスク・ハザード・モデル / ジェンダー / NLSY |
Research Abstract |
アメリカではジョブ・マッチングの男女差が賃金の男女差を生むという仮説が注目されている(Royalty,Working Paper,Yale University 1995)。Omori(Working Paper,Toyama University 1995)は、National Longitudinal Survey of Youth(NLSY)1979-1987データから離職の競合リスク・ハザード・モデルを推定し、ジョブ・マッチングのプロセスは男女間で似ているものの、その決定要因には男女差があることを明らかにした。特に結婚が男性の転職と女性の非労働力化を促すことがわかった。本研究の目的は、最新のデータ(NLSY 1979-1994)においてもOmori(前掲)の結論が正しいことを示すことである。 今年度は、NLSY Geocode1979-1994データを加工して1978年1月1日から最後のインタビューの日までの各週について個人、仕事、環境の属性を示す変数の値が容易に得られるようにした。新たな分析用サンプルには、5,216人の男女が就いた34,516のジョブのスペルが含まれ、2ケ月ごとの属性を示すオブザ-ベションの数は306,389に達する。Omori(前掲)で用いた分析用サンプルには、5,413人の男女が就いた26,403のジョブのスペルが含まれ、2ケ月ごとのオブザ-ベションの数は171,864であった。従って、今回のデータ更新により、分析用サンプルに含まれるジョブのスペルの数は30%増加し、2ケ月ごとのオブザ-ベションの数は78%も増加したことになる。また、新たな分析用サンプルを用いた記述統計分析の結果、Omori(前掲)と同様、男性は女性と比べて転職が多く、非労働化が少ないことがわかった。 Omori(前掲)と新たな記述統計分析からの結果に関して、分野の権威であるオハイオ州立大学経済学部のAudrey Light博士によるレビューを受け、また、米国東部経済学会で報告をし、有益なコメントの数々を得た。
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