1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09730038
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
柴田 淳 大阪市立大学, 経済学部, 助手 (50281267)
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Keywords | 製品輸入 / 流通システム / 産業・商品分類 |
Research Abstract |
本研究の関心は製品輸入の増加と日本の流通システムの変化とを関連付けることにある。このため本研究ではデータを用いた輸入構造・流通産業構造の変化の把握とそれらの連関の経済学的ロジックの構築が目指される。 本年度はデータを用いて輸入構造・流通の産業構造の変化を把握することが当初の目標とされた。国内への商品供給の経路として海外からの製品輸入の果たしている役割が高まってきていることを確認するために輸入浸透度の計測を行う準備を行うのが本年度の目標であった。具体的には通関統計・工業統計・繊維統計間でばらばらに用いられている商品・産業分類を本研究の主旨にそって共通化する作業が行われた。結果としてかなり大きな括りの分類として共通化することには成功したと思われる。さらにこの分類共通化作業と平行する形で国内生産・輸入のデータベース作成も行われた。来年度以降このデータベースを用いて輸入浸透度の変化計測が行われることとなる。 ただし上記作業を行うなかで問題点も浮き彫りにされてきた。本研究はいわば流通産業における企業ベースの活動といったミクロの現象と輸入構造の変化といったマクロの現象の連関をデータ・経済理論の双方から明確化する試みであった。しかし輸入構造変化の把握という作業を行うなかでこれらのデータを商業統計で扱われているような商品分類と共通化するにはまだ道のりは遠いものと思われるた。さらに商業統計と変化しつつある個別流通企業との姿にもかい離が予想される。このため次年度以降の輸入浸透度の計測にあたっては方針を転換してより細かい分類の中で輸入データと小売データが合致するものを選び出して作業を行う必要がでてくる可能性がある。
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