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1998 Fiscal Year Annual Research Report

1930年代〜戦時期日本の都市開発と都市計画

Research Project

Project/Area Number 09730050
Research InstitutionShizuoka University

Principal Investigator

沼尻 晃伸  静岡大学, 教育学部, 助教授 (30273155)

Keywords都市開発 / 都市計画 / 土地区画整理 / 土地市場 / 戦時経済 / 用途地域制 / 農地転用
Research Abstract

1, 本年度は、昨年度から実施している事例対象地への資料収集、不動産資本に関する資料収集、戦時期の都市開発のなかで重要な意味を持つ工業開発と都市計画との関係に関する研究論文の取りまとめを行った。以下、新たに得られた知見を大きく三点に分けてまとめる
2, 1930年代〜戦時期日本の都市開発には、地主による土地区画整理事業、土木建築資本による臨海部埋立事業、地方公共団体による土地造成事業などが存在した。これらの事業は、開発に基づく地価上昇を前提とした事業という共通の性格を有する。民間で実施された事業はもとより、日中戦争期に増加する公共団体施行土地区画整理においても、農地から宅地への転用に基づく地価上昇を前提として、減歩により生じる替貸地の売却益を事業費に充当した。戦時期における軍需工場の立地は、これらの開発に拍車をかけたのである。
3, これに対して当該期の都市計画を見ると、東京市板橋区においては都市計画用途地域制に即した土地造成事業が実施されたが、都市開発の展開にあわせて都市計画が変更される事例も多数存在した。日中戦争開始後においても、農地から宅地への転用による地価上昇を目的とした開発が放任された結果、都市計画に基づく都市形成が阻害され、市場原理に基づく土地売買を媒介とした都市形成を都市計画は追認せざるを得なくなった。
4, 以上述べた1930年代における都市開発と都市計画の特徴は、土地の投機的売買や工場労働者向け住宅の不足を生み出す要因ともなった。1940年代に入って、国土計画構想とそれに基づく都市計画が新たな政策理念として提起され、土地商品の統制のために宅地建物等価格統制令や臨時農地等管理令が施行された。これらの政策によって投機的土地売買はある程度抑制されたが、農地から宅地への転用による地価上昇は続いた。市場原理に基づく土地商品の運動を統制する手法を用いた都市計画の実施は、戦時期の日本において定着しなかったのである。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 沼尻 晃伸: "戦時期日本の工場用地造成と都市計画・国土計画" 静岡大学経済研究. 3巻4号. 69-100 (1999)

URL: 

Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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