1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09730053
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
渡邉 恵一 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (00267387)
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Keywords | 工業化 / 物流 / セメント / 浅野財閥 / 鉄道輸送 |
Research Abstract |
平成9年度における実績は、課題研究の遂行にとって不可欠となる一次資料の所在調査および収集作業が中心となった。主たる調査先は、国立国会図書館、交通博物館、横浜市史編集室、横浜開港資料館、青梅市郷土博物館、奥多摩工業株式会社などで、文献複写依頼、もしくは設備備品として購入したマイクロカメラを持参しての撮影によって、目的とする資料を収集した。その他、目録検索等によって、次年度にて収集すべき資料の選定も行った。 本年度収集した資料の多くは、研究対象としている浅野セメントの輸送部門にあたる系列会社に関するものであるが、その内容は生産部門である親会社の企業活動の実態を浮き彫りにしており、従来の研究では「資料的制約」のために不明確であった戦前期の企業経営における物流戦略を具体的に知る上で貴重な資料である。浅野セメントが、原料(石灰石)採掘部門を当初の請負形態から直営化していく過程の資料、系列の鉄道会社に対し輸送コストの最小化を要求する資料などはその一例であるが、これまでの研究の実証水準を大きく超える一次資料を発掘することができた意義は大きい。 資料調査と並行して、収集した資料の分析・論文執筆にも取り組んでいるが、さしあたり本年度は、文書の筆耕、データの入力・集計など、いわば準備的段階の作業に多くの時間を費やしたため、調査の直接的成果としての論文発表は、次年度にて果たすこととしたい。
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