1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09730088
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
森田 雅也 関西大学, 社会学部, 助教授 (40247896)
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Keywords | チーム作業方式 / 多能工化 / 社会-技術システム論 / 自律性 / 1チーム1タスク |
Research Abstract |
1 チーム作業方式をめぐる文献のレビューを行った結果、チーム作業方式をめぐる議論が世界の研究者の間で混沌としており、研究者間での言葉の定義などに関する共通理解の確立がまず必要と考えられた。その糸口を提供するために、多能工化に着目しながら、チームを「経済性達成」と「自律性獲得」という2軸でとらえること、その基礎となる理論として、社会-技術システム論アプローチの重要性を提唱した。ただし、これら2軸のより具体的な指標や尺度については、今後さらに検討すべき課題として残されている。また、チーム作業方式といった働き方を規定する要因として、賃金や昇進などの労務管理システムが無視することはできない役割を担っている点を指摘した。 2 この点は、"Japanese Work Organization from the View Point of Teamworking"(Paper for 13th EGOS Colloquium,July 1997,Budapest)として報告された。当大会での海外の研究者との交流を通じて、チーム作業方式や日本の作業組織に対する海外の関心の高さとともに、日本の作業組織をチーム作業方式の視点から論ずることの重要性が確認された。また、これらの成果は、論文「チーム作業方式をめぐる議論の統合に向けて」として公刊されている。 3 同時に、在英日系企業を対象として研究代表者らが1996年度に行った実証研究のデータ分析を行い、英国の製造現場においても多能工化を核としたチーム作業方式が導入されつつあることが確認された。英国の研究者や当該現場の管理者にレビューを受け続けているが、日本の製造現場での実証研究との比較という点も含めて、実証研究は現在も継続中である。
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Research Products
(1 results)