1997 Fiscal Year Annual Research Report
企業の効率的な多角化及び国際化のための最適資金調達及び投資手法の分析と考察
Project/Area Number |
09730090
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Research Institution | University of Marketing and Distribution Sciences |
Principal Investigator |
小笠原 宏 流通科学大学, 商学部, 助教授 (10258163)
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Keywords | 相場変動 / 証券市場 / 金融市場 / 外国為替 / 企業財務 / ポートフォリオ運用 |
Research Abstract |
当初の研究実施計画に基本的には準拠しながら、資料整備データ整備を中心に作業を本年度は進めた。企業財無戦略の国際化において不可避である外為リスクの管理のための手法の分析及び考察をまず年頭におきながら、主要通貨(米ドル、独マルク、英ポンド、スイス・フラン及び日本円)の比較的長期の為替変動データの収集及びデータインプットをある程度進んだ。あわせて主要経済ニュースを中心にしたそういった相場変動及び推移の間の関係付けをいろいろ試行して試してみた。いわゆるバブル期以降の数年間(1991年後半から1997年前半まで)をまずカバーしよう考える期間であるが、これはさらに可能な限り直近まで来年度は期間を延ばすことを予定している。経済ニュースと証券金融データとの付け合わせとそれに基づく将来動向の予測プロセスの分析という試みは、非常に大きな問題に直面した。日本市場を欧米市場などと(特に米国市場)あわせて同水準の次元で単純に分析しようとすると、現実的な問題としての日本の金融市場の閉鎖性、途上性と言わざるを得ないような背景事情とその集積結果である数々の問題が鮮明になってきて、分析アプローチの採用に関して単純に統計処理の結果だけでは明確な結論がでてこなくなるおそれがあると思われる。具体的には不良債権問題など長年の日本の金融慣行やバブル期の問題処理の方向性の誤りの付けが回ってきた結果ともいえるような深刻な問題が要因としてあげられる。研究開始後に実際、予想以上に早いスピードで金融改革、市場開放、競争自由化といった事態が進行してきた。現実に大手証券の廃業や都銀下位行の経営破綻など、住専問題に続いて相当早い速度と激しさを伴って金融証券市場の再編が進んでいる。そういった状況をフォローアップしながら当然その結果大きな影響を受ける企業の国際化及び財務戦略の方向性を新たなデータ及びポイントを再検討しながらさらに分析を進めることがしたい。ドラステックな環境要因の変化及びその結果の従来期待の変化も考慮に入れた分析アプローチの再検討が必要になっているということでもある。
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