1997 Fiscal Year Annual Research Report
販売部門における組織文化と業績の関連プロセスに関する研究
Project/Area Number |
09730091
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Research Institution | Okayama Shoka University |
Principal Investigator |
松尾 睦 岡山商科大学, 商学部, 講師 (20268593)
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Keywords | 組織文化 / 業績 / 販売部門 / 営業担当者 |
Research Abstract |
本研究の目的は,大手旅行代理店の営業担当者を対象に行った質問紙調査をもとに,販売部門における組織文化と業績の関連プロセスを探ることにある。研究モデルは「組織文化→市場情報の収集→問題解決型営業の実施→販売業績」である。すなわち,営業支店の文化が,営業マンの情報収集活動に影響を及ぼし,情報収集活動が問題解決型営業の実施を促進することを通して販売業績を規定する,という因果の流れを想定した。調査データに対して主成分分析を行ったところ,まず,組織文化(支店文化)は,「協調志向」「競争志向」「顧客志向」「イノベーション志向」「自主性」に分類され,市場情報の収集活動は,「社内情報」「社外情報」「一般的情報」に分類された。研究モデルに対してパス解析を行った結果,1)「顧客志向」および「協調志向」の組織文化が存在するほど「社外情報」を積極的に収集し,2)社外情報を収集する営業担当者ほど問題解決型営業を実践しており,3)問題解決型営業は販売業績を高める傾向にあることが明らかになった。この結果は,組織文化が,市場情報の収集・営業活動に影響を与えることを通して販売業績を規定していることを示唆している。本調査では,市場情報の収集や市場変化の認知,さらに問題解決型営業の具体例を自由回答形式の設問によって測定しており,来年度の研究では,これらのデータを基により妥当性の高い質問票を設計し,研究を進めていく予定である。
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