1997 Fiscal Year Annual Research Report
generalized Kac-Moody algebraの構造と表現の研究
Project/Area Number |
09740005
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
内藤 聡 筑波大学, 数学系, 助教授 (60252160)
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Keywords | アフィン・リー環 / Virasoro algebra / 表現論 |
Research Abstract |
アフィン・リー環gとVirasoro algebra Virという2種類の無限次元のリー環が、数理物理学や整数論等の様々な分野において重要な働きをしている事は、1970年代以降の多くの研究者の努力により広く知られる様になって来ている。しかし、その表現論については、未だなお研究すべき数多くの課題が残されているようである。 さて、Virasoro algebra Virのunitarizableな既約最高ウエイト表現の内でも、central chargeが1/2のものは最も基本的なものであり、それらのhighest weightは0,1/2,1/16の三つしかない事が知られている。私は、これらの内highest weightが1/16の既約最高ウエイト表現V=V(1/2,1/16)の三重テンソル積T=V【cross product】_c【cross product】_cVを3次対称群G_3の(自然な作用の下での)表現空間と考えた時の既約分解の様子を、楕円関数論におけるJacobiの三重積公式と五重積公式を用いる事により、決定した。又、highest weightが0,1/2の場合についても、各既約成分の重複度についてのある種の表示式を得た。 さらに、A_l^<(1)>,D_l^<(1)>,E_l^<(1)>型のアフィン・リー環gのbasic表現と呼ばれる既約最高ウエイト表現W=L(Λ_0)にgのderivation dを用いて次数付けW=【symmetry】_<m【greater than or equal】0>W_mをした時の斉次成分W_m上での、gに自然に入っている有限次元単純リー環g(これは、gの型A_l^<(1)>,D_l^<(1)>,E_l^<(1)>に対応してA_l,D_l,E_l型である)のCasimir作用素Ωの(行列表示の)traceを、dimW_κ(κ【less than or equal】m)を用いて表す公式を得た。又、これの応用として、A_l,D_l,E_l型のroot格子Qのテ-タ級数Θ_Qとgの(優正形式を最高ウエイトとする)既約最高ウエイト表現たちの次元との間の(一見)奇妙な関係式を得た。
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Research Products
(1 results)