1997 Fiscal Year Annual Research Report
Grothendieck群に値をもつHilbert関数の研究
Project/Area Number |
09740007
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
西田 康二 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (60228187)
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Keywords | 局所環 / 重複度 |
Research Abstract |
ネーター局所環(A, m)のイデアルIをとりK_0(A/I)は有限生成A/I-加群のなすGrothendieck群とする。各整数nに対してA/I^nに対応するK_0(A/I)の元[A/I^n]を考えることによりHilbert関数_XI:Z→K_0(A/I)が定まる。これは従来m-準素イデアルに対して定義されていたHilbert関数の概念を自然に拡張したものである。実は、Iのanalytic spreadと呼ばれる不変量をlと書くと、K_0(A/I)の元e_0(I),e_1(I),…,e^l(I)を適当に選んで十分大きなnに対して常に等式 (〕.SU.〔) が成り立つようにできる。ここに登場した元e_0(I), e_1(I),…,e^l(I)はAやIの性質を深く反映した不変量であることが期待されるのであるが、事実、今年度の研究では、最も重要な不変量であるe_0(I)を集中的に調べ、次のような成果を得た。 1 AがCohen-Macaulay環のときe_0(I)=[A/I]となる為の必要十分条件はIが正則列で生成されることである。 2 Aが解析的不分岐でA/Iが正則局所環のとき、e_0(I)=[A/I]となることとAが正則であることは同値である。 3 AはGorenstein環でQはAの素イデアルとしA/QはCohen-Macaulayで整閉とする。さらにQはht_AQ+1個の元生成され、A/Qは正則であるとせよ。このときe_0(I)=[A/Q]-[K_<A/Q>](但しK_<A/Q>はA/Qの正準加群)が一般に成り立ち、A/QがGorensteinでなければe_0(I)≠0である。A/Qの次元が2のときには逆も成り立つ。
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Research Products
(1 results)