1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09740009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武部 尚志 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助手 (60240727)
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Keywords | 捻りWZW模型 / Etingof型楕円型KZ方程式 / XYZ Gaudin模型 / Wakimoto加群 / 積分解 / Bethe vector |
Research Abstract |
本年度は、今まで知られていなかった型の楕円曲線上のWZW理論を構成し、それがoff-critical levelでEtingofの楕円型KZ方程式を与え、また、critical levelではXYZ Gaudin模型を与える事を示した。(東北大学の黒木玄氏との共同研究である。) 普通のWZW模型は、代数群Gを固定し、Riemann面X上のG-主束のmoduli上にある種の線形空間の層を構成するが、我々は、この構成を「X上の群概型(この場合は自明な群概型GxX)のtorsorのmoduli上の層の構成」と読みかえた。そして新たに、楕円曲線上のある種の非自明な群概型に付随するWZW模型を提案し、「捻りWZW模型」と名付けた。 この新しいWZW模型について、通常のWZW模型と同様にして ・Off-critical levelでは、点つき楕円曲線のmoduli空間上(Cohomologyの消滅により、torsorの変形のmoduliは一点になる)のflat connectionを構成しこれがEtingofの方程式になる事を確かめた。また、Etingofによって発見されていたこのconnectionのmodular不変性の幾何学的証明を与えた。 ・Critical levelではSugawara vectorからXYZ Gaudin模型のHamiltonianを構成した。 以上により、XYZ Gaudin模型とEtingofの楕円型KZ方程式の関係を明らかにする事ができた。 本年度のもう一つの研究目標であったWakimoto加群を使ったKZ型方程式の積分解の構成や格子模型のBethe vectorの構成は、通常の(捻っていない)WZW模型の場合も未解決であった事が判明したので、まずこのより簡単な場合について考察を行なった。1998年2月現在、積分解の構成はほぼ完了した。この件についての論文は準備中である。
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