1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09740012
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
木田 雅成 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (20272057)
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Keywords | 楕円曲線 / 二次体 / 還元写像 / good reduction / Q-curve / Laskaのアルゴリズム |
Research Abstract |
二次体上で定義された楕円曲線の数論、特に還元によるふるまいを、研究し、次の結果を得た。 1.二次体のすべての素点でgood reductionをもつ楕円曲線が存在しないような実二次体の例の構成をおこなった。とくに定義体で2が分岐している場合を考察し、いくつかの未知の例を発見することができた。応用として、いくつかの体の上ではそのような楕円曲線をすべて決定することができた。 2.二次体上のすべての素点でgood reductionをもつような楕円曲線の構成法を考案した。modular不変量が与えられたときに、その不変量をもつ楕円曲線ですべての素点でgood reducutionを持つものをすべて構成するアルゴリズムをつくり、実際の計算に適用した。特に有理整数の不変量や特異不変量をもつものに対して、系統的な計算をした。この構成法の応用として、次数が1のQ-curyeのモデルの具体的計算も可能になった。 3.楕円曲線の極小モデルを計算するアルゴリズムの実装をおこなった。二次体上の楕円曲線の還元を計算するアルゴリズムは古くから知られていて、いくつかの実装も知られているが、信頼性に疑問もあるものも少なくなかった。その点を改善するためにまず極小モデルを計算するLaskaのアルゴリズムの実装をおこなった。これによって、上に述べた方法によって求めた楕円曲線の大局的な極小モデルを計算することができた。いまのところ、この実装は二次体上の楕円曲線を対象にしたものになっているが、一般の代数体への拡張も考慮したものになっているので、今後の研究にも有用であると考えられる。
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Research Products
(1 results)