1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09740022
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大野 浩司 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20252570)
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Keywords | 代数多様体 / 極小モデル / 退化 |
Research Abstract |
小平次元が0である代数曲面の非安定退化を調べる為に対数的極小モデルという性質の良いモデルをとるという研究手法を開発したが、特異ファイバーの既約成分として現れる対数的曲面の特異性がII型III型のときは一般には制御し難いという困難があった。ところが、Morrison-Crauder両氏による特異ファイバーの構造層のオイラー標数を与える公式を精密化することによって、安定退化のオイラー標数公式の一般化に成功し、その結論として各成分のオ-ビフォールドオイラー標数に一定の制限が加わることがわかった。このことは、特異性がある程度制御し得ることを意味する。実際、最も基本的な場合であるオ-ビフォールドオイラー標数が0のときはBogomolov-Miyaoka-Yau型不等式を対数的端射線を双有理に縮小した対数的曲面に適用するという技術を使って、II型III型の対数的曲面をすべて分類することが出来た。その研究過程において境界の重複度を保ったまま双有理変換を施す、C-基本有理変換という新しい変換を見い出し、その応用として、角田氏による、対数的標準因子の指数の効果的有界性の結果の正標数の一般化に一部成功するという副産物を得た。角田氏の結果は標準被覆とHodge理論を用いたもので、どちらも、正標数では通用しない技術である。以上の研究から結果として、例えばアーベル曲面の退化は無限モノドロミ-の場合は重複度をのぞいて、完全にわかったことになる。今後の課題は重複度の処理である。この研究は小平-ネロンの研究のより精密な高次元化への道も切り開くことになると思われる。
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Research Products
(1 results)