1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09740031
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
徳永 浩雄 高知大学, 理学部, 助教授 (30211395)
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Keywords | dihedral Galors被覆 / 基本群 / torus分解 / Albanese次元 |
Research Abstract |
Galois群が2面体群となるようなGalois被覆(dihedral Galois被覆):これまでにおこなっていた研究では楕円曲面の理論を用いていたため,底空間や分岐因子が特殊なものに限られていた(例えば,3重点を平面6次曲線等).この点を改良しより一般な形で存在に関する定理を得た.この定理は分岐因子の特異点のtopological typeとその数のdataから存在を主張するものであり,以前の結果に比べ条件をcheckすることが簡単になっている.dihedral Galois被覆の存在から従う主張で重要なもののひとつに分岐因子の補空間の基本群が非可換群になるというものがある.特に射影平面の平面曲線の補空間は様々な数学者によって研究されておりこの場合へ定理を応用することが最も重要であり,面白いものと考えられる.単純な応用ではあるが例えばつぎの主張を得ることができる: 「dは偶数とし,Cはd次の平面代数曲線でa個のnodeとb個のcuspを持つものとする.もし,2a+6b>2d^2-6d+6ならばπ_1(P^2\C)は非可換群である.」 これはNoriによる結果:「2a+6b<d^2ならばπ_1(P^2\C)は可換群である.」に対照的な主張である.この結果については'97年12月の数理解析研究所における研究集会,及び,'98年2月の高知共済会館における国際シンポジウムで報告した. 次に巡回被覆のベッチ数及び及びAlbanese写像の像の次元(Albanese次元)を曲線のtorus分解を用いて研究する課題については, 1.以前発見したZariski pairに関してtorus分解の観点から証明を与えた.以前の証明は3次対称群をGalois群とするGalois分岐被覆の存在性を用いて証明を与えていたが,この手法はAlexander polynomialを用いるDegtyarev等の方法に沿ったものである.この結果については'97年7月東京都立大における国際シンポジウムで報告した. 2.楕円曲線の双対曲線が12個の異なる(2-3)torus分解を持つことを証明した.これにより、この曲線のAlbanese次元が2になることがわかった.このとき用いたアイデアは他にも応用が見込まれており,現在研究中である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 徳永浩雄: "Dihedral coverings branched along maximizing sextrcs" Mathematische Annalen. 308. 633-648 (1997)
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[Publications] 徳永浩雄: "Some examples of Zariski pairs a rising from certon elliptrc K3 sciyfaces" Mathematische Zeitschrift. in press.