1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09740051
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
芥川 玲子 (相山 玲子) 筑波大学, 数学系, 助手 (20222466)
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Keywords | 平均曲率 / Gauss写像 / 調和写像 / 表現公式 / 曲面 |
Research Abstract |
最近の研究(静岡大・芥川和雄氏との共同研究)で、定曲率cの3次元Riemann空間形M^3(c)内の曲面Mをその平均曲率関数HとGauss写像g:M→s^2によって(局所的に)表現する公式が、c<0やc>0の場合にも、c=0の場合(Kenmotsu表現公式)に相当する形で記述されることが分かった。このKenmotsu型表現公式を得るメカニズムは、定曲率空間形の等長変換群が正規直交標構束に推移的に作用しているという事実のもと、統一的に理解されるものである。平均曲率H一定(CMC H)の曲面Mが写像g:M→s^2でKenmotsu型表現されるための可積分条件は、c≧0のときはgが標準単位球面への調和写像であることであり、c<0の場合には、gがある計量h_<c,H>をもつs^2上への調和写像であることである。(この計量h_<c,H>はH^2<|c|の場合は全体で正則は計量であるがH^2|c|の場合は一点にまたH^2|c|の場合はある円上に特異点をもつ非正則計量である。実際、3次元双曲空間H^3(c)(c<0)内のCMC H曲面Mは、H^2>|c|およびH^2=|c|の場合は'Euclid的'曲面であり、それぞれE^3内の平均曲率H(≠0)一定曲面と極小曲面に対応し、標準球面への調和写像をデータとする表現公式(Kenmotsu-Bryant型表現公式,Bryantの表現公式)を得ることもできる。H^2<|c|の場合は'非Euclid的'であり、正定曲率|c|をもつ3次元Lorentzu空間形内のCMC H空間的曲面に対応をもつ。)可積分条件を、Gauss写像gによってMに導入されるスピン構造の言葉で書くこともできたので、今後はこれを足がかりとしてCMC曲面を大域的に考察していきたい。
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