1997 Fiscal Year Annual Research Report
非等方性弾性体におけるレーリー波に関する解析の研究
Project/Area Number |
09740085
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
川下 美潮 茨城大学, 教育学部, 助教授 (80214633)
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Keywords | レゾルベントの極 / レーリー波 / 局所エネルギー / 弾性方程式 / 非等方性 |
Research Abstract |
非等方性弾性方程式は等方性の弾性方程式に比べて構造が複雑で、その分一般的な取り扱いが必要となる。本年度はこの構造に関する理解、特に等方性弾性方程式に対する類似の問題に関する取り扱いでは困難と考えられる点の扱い方を考察することが大きな目標であった。具体的には次のことを考えた。 1.楕円型方程式の一般論を用いたノイマン作用素の評価法 2.楕円型領域でのポアッソン作用素の構成とそのパラメータ付き擬微分作用素による表示 3.ポアッソン作用素のスペクトルパラメーターに関する解析接続の可能性 4.ノイマン作用素のスペクトルパラメーターに関する解析接続とその漸近形 等方性の場合は本質的には二つの速度の異なる波動方程式に分解できるので、2、3、4に相当するものを直接得ることが出来る。特に、4では楕円型領域においてはノイマン作用素が実主要形の擬微分作用素であり、その主シンボルの形も大域的に分かる。これより1の評価はすぐに得られる。しかし、非等方性の場合は等方性の場合ほど単純ではないので、別に1を考えた方が得策であることが判明した。 2についても一般の楕円型境界値問題の扱いに準じて行う。しかしながら、この問題の場合は方程式系になっているのでその点に関する工夫が必要である。 3は2の表示を下にして議論を進める。その際、スペクトルパラメーターを複素数に動かしたときにどこまで有効になるかを確認することが問題となる。これについては適当な変数変換によりある角領域内では有効な表示を得ることができた。また、4は3より明らかとなる。 このように、今年度はほぼ当初の計画どうりに研究が進行した。これを下にして、レゾルベントの極の存在、及び局所エネルギーの減衰の速さに対する情報を得ることが次年度の課題である。
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