1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09740102
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内田 素夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10221805)
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Keywords | ベルグマン核 / ホロノミー系 / 代数解析 |
Research Abstract |
「D加群の指数定理」に関してはまず,柏原のR構成可能層の超局所理論やSchapira-Schneidersの楕円対の理論をもとにして,ホロノミックD加群MとR構成可能層Fに対して(M,F)の特性サイクルを構成することを目標として研究を進めた。(もちろん,(M,F)が楕円的である場合には,楕円対としての特性サイクルと一致するように構成できるはずである。)次にそれを用いて,概楕円対の指数公式を証明するべきであるが,現時点でこの部分までには到っていない。次年度の進展に希望を持っている。(特性サイクルの構成が自然なものであれば,この部分はそれほど困難はないものと考えられる。) 「ベルグマン核の代数解析」に関しては,まず2次元柱状領域の場合に限り,ベルグマン核がホロノミックなマイクロ函数を定義することを確認することを目標として研究を進めた。この場合には,ベルグマン核のフーリエ積分表示が知られているので,それは積分路の変形の問題に帰着することがわかる。またそれができれば,柱状領域のベルグマン核の角における特異性の摂動計算が厳密に実行できると考えている。(ほぼ計算済み。) それ以外の研究成果として,与えられた微分方程式系のreal analyticな解の接続の問題に関して,定量的なenergy評価を超局所的な(一般化された意味での)境界条件とみなすことにより,古典的なBochnerの結果の改良を与えることができた。また(単独方程式でない)微分方程式系の場合には,D-module theoreticな考察を行うことで上述の結果を本質的に改良することができることも示した。
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[Publications] M. Uchida: "Kashiwara's microlocal analysis of the Bergman kernel for domains urth corner" New Trends in Microlocal Analysis(J. M. Bony and M. Morimoto(eds. ))Springer-Verlag. (単行本). 235-242 (1997)
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[Publications] M. Uchida: "A remark on finiteness and duality of D-modules" 京都大学数理解析研究所講究録. 983. 150-155 (1997)