1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09740103
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大山 陽介 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10221839)
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Keywords | 保型形式 / 非結合代数 / 可種分系 |
Research Abstract |
種数1の保型形式は、一般に3階の2次型の非線型微分方程式を満たす。実際には、その具体形を記述することが重要な問題となる。この非線型方程式は、2階の確定特異点型の線型方程式と、シュワルル微分を通じて関係している。 前年度の研究によって、3階の2次型の非線型微分方程式のうち、2階の線型方程式と関係するものは、対応する非結合代数が単位元を持つという条件と対応することがわかった。これをおし進めて、3階の2次型の非線型微分方程式のなかで、ハミルトン系になる場合の条件を非結合代数のことばで考察した。このクラスは、オイラーのコマの方程式を含んでいるものであり、一般的には、保型形式ではなく楕円函数と関係がつくものである。 また、3階の2次型の非線型微分方程式の重要な例として、アルファンの方程式と呼ばれるものがある。この方程式は、VI型のパンルベ方程式と関係し、古典解とよばれる特殊な解を記述する方程式である。アルファンの方程式、およびその類似方程式は、いわゆるピカールの解(と関係する解)を補完する方程式になっている。この方程式のベックルンド変換をとって、対応するパンルベ方程式の解空間の全体を考察した。 アルファンの方程式とオイラーの方程式は類似した形をしているが、その解の性質は全く異なり、前者はパンルベ性を持たない。この両者の関係を考察して、アルファンの方程式を与える、レベル2の楕円モジュラー曲面の上に、自然に存在するファミルトン構造から定まる発展方程式が、オイラーの方程式になることを示した。ここで、アルファンの方程式は、この楕円曲面のピカール・フックス方程式から得られるものである。
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Research Products
(1 results)