1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09740117
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
木坂 正史 大阪府立大学, 総合科学部, 講師 (70244671)
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Keywords | 超越整関数 / ジュリア集合 / Baker domain |
Research Abstract |
本課題の目的は超越整関数のジュリア集合の位相的性質について研究することにあった.今年度は特にBaker domainの境界の性質について次のような結果を得た. まず,Baker domain UのRiemann mapによる,力学系fの共役写像をgとするとg:D→D(Dは単位円板)は単射であるか,そうでなければ 1. D上のhyperbolic Mobius transformation 2. D上のparabolic Mobius transformation 3. C上のtranslation のいずれかに半共役になることがわかった.またDの境界の点で,その点に対応するαUのimpressionが無限遠点を含むようなものの集合をI_∞と書くことにする.このとき上の場合分けにしたがって1と2の場合にはI_∞は少なくともαDのある完全集合を含むことが,また3の場合にはI_∞はαDに一致することが証明された.またgが単射であるときはI_∞の個数は1,2まはた∞であることが証明された.更に,単射の場合も含めた4つの場合のそれぞれについて,実際にそれを実現する具体例が存在することも明らかになった.以上の結果はBaker domainの境界はfがこのBaker domain上で単射でない限り,非常に複雑な構造を持っていることを示している. 1,2,3の分類はfのUへの制限の力学系的挙動によってBaker domainを分類したことになっており,上記の結果はこれによってBaker domainの境界の様子を分類したものである.この点においては当初の目的は一応達成されたと言える.ただし,1,2の場合には「I_∞は少なくともαDのある完全集合を含む」という少し弱い結果しか示されていない.これらの場合にI_∞αDとなることがあるのかどうかは今のところ未解決であり,今後の課題である.
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[Publications] M.Kisaka: "On the Connectivity of Julia Sets of Transcendental Entire Functouns" Ergcdic theory & Dynamical Systems. 18. 189-205 (1998)
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[Publications] M.Kisaka: "On the boundaries of Baker Domains" Sci.Bull.Josai Univ.special issue/No.4. 17-23 (1998)