1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09740121
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
後藤 聡史 上智大学, 理工学部, 助手 (00286759)
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Keywords | Subfactor / Paragroup / 位相的場の理論 / 共形場理論 / Jones index / 作用素環論 / quantum double |
Research Abstract |
Subfactor理論において、asymptotic inclusionは量子群におけるquantum doubleに対応するもので、そこからReshetikhin-Turaev型の3次元位相的場の理論やMoore-Seibergの意味での共形場理論が構成できるため、重要な研究対象となっている。私は、ErlijmanによるHecke環の生成元の両側列から新しいsubfactorを構成するという方法を一般化して、一般の周期nのcommuting squareを生じるようなfusion rule algebraとquantum 6j-symbolが与えられた場合のasymptotic inclusionの新たな構成法を示した。この方法はErlijmanの構成したものを一例として含み、さらに生成元によるcommuting squareの表示をもたないような多くの例に適用できるという利点がある。また、1997年のStrasbourgでのOcneanuの講演は1995年のFields研究所での彼の連続講演につづくものであり、subfactorや共形場理論におけるある種の分類に共通に現れるDynkin図形A,D,Eのなぞを解明し、位相的場の理論にも応用をもたらすという刺激的なものであり、subfactor理論から見ても、量子Galois対応やグラフ上のcomectionの完全分類など、多くの示唆に富んだものである。現在、私は彼のこの理論(多くの数学者、物理学者が関心を示している)を普及すべく、彼の講義録をまとめているところである。この講義録は近いうちにFields Institute Communicationsとして、アメリカ数学会(AMS)から出版されることになっている。
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