1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09740134
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
二宮 広和 東京工業大学, 理学部, 助手 (90251610)
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Keywords | 非線形放物型方程式 / 爆発問題 / 反応拡散系 / 拡散 |
Research Abstract |
反応拡散系における拡散の役割は従来考えられてきた空間一様化という役割より,多くのものを含んでいることが最近知られるようになってきた.チューリングによる拡散不安定性の発見はその一つである. 本研究では,拡散の役割を考えるために,拡散のもつ性質のうち,意外な側面の発見を行い,それによって拡散のもつ性質を外延しようと試みてきた.現在のところ,研究代表者等によって近年発見された2つの拡散誘導現象 1)2種の生物種が競争する問題に見られる拡散誘導絶滅 2)反応拡散系に見られる拡散誘導爆発 の仕組みを研究している. また,拡散誘導爆発は,拡散の効果によって爆発しない常微分方程式系が爆発することがあることを結論づける興味深い結果である.この結果は単に拡散の役割を調べるだけにとどまらず,モデル方程式を建てる際にも拡散のこの意味での役割も考慮に入れる必要があることを示唆している.ここで作られた方程式系は人工的なモデルであったが,生物学や物理学に現れるモデルにおいても,拡散誘導爆発が見られることが数値計算によって明らかになってきた. 拡散誘導爆発が興る状況を把握するために,その自己相似解の果たす役割と方程式系の退化の関係を調べている途中である.
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[Publications] M.Iida and H.Ninomiya: "Nonlinear boundary value problems related to some chemical reactions on the interface" China-Japan Symposium on Reaction-Diffusion Equations and Their Applications and Computational Aspects. 52-59 (1997)
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[Publications] H.Ninomiya: "Separatrices of competition-diffusion equations" China-Japan Symposium on Reaction-Diffusion Equations and Their Applications and Computational Aspects. 118-125 (1997)