1997 Fiscal Year Annual Research Report
ランダム媒質中のランダム・ウォークに関する漸近的性質
Project/Area Number |
09740151
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
濱名 裕治 九州大学, 大学院・数理学研究科, 助教授 (00243923)
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Keywords | ランダム・ウォーク / 訪問点 |
Research Abstract |
正方格子上のランダム・ウォークの道の多重点の個数に関する極限定理の研究は、もともと、ランダム媒質中のランダム・ウォークの道の再帰性の判定条件を得るために行われてきた。そこでは極限定理の中でも大偏差原理という非常に強い性質の成立を示すことが必要なのであるが、その解決にはまだまだ先の長い話となる。 この大偏差原理においては、モーメント母関数の漸近挙動が重要な役割を果たすので、ます最初に(ランダム媒質のない)ランダム・ウォークの道の訪問点の個数に対してそのモーメント母関数の性質を調べることが妥当であると考え、その研究を行った。パラメータが負の場合はDonskerとVaradhanによって証明された定理を用いることによって必要な情報が得られるので、パラメータが正の場合だけ考えればよいことになるが、そこで得られた結果は未だもって不完全なものであり、大きく進展するような結果は得られなかった。 実は、そのcontinuous anologであるWiener sausageに関しての文献がいくつかある。しかし、それらの結果を見る限り平行した議論で解決できるとはとうてい思えないばかりか、ランダム・ウォークの場合は異なった結果が得られることが簡単な議論から予想される。
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