1997 Fiscal Year Annual Research Report
複数の障害物があるときの低レイノルズ数流体の数値解析
Project/Area Number |
09740155
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
西田 詩 鹿児島大学, 理学部, 助手 (10274838)
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Keywords | オゼーンの線形化方程式 / 選点法 / 離散特異点法 / 揚力係数 / 抗力係数 / 数値計算 |
Research Abstract |
この研究の今年度の目的である「定常流の『オゼーンの線形化方程式』に対して『離散特異点法』に基づく数値計算を行う。また、考察する障害物の形状が変化することにより、障害物が流体から受ける『抗力係数』や『揚力係数』がどう変化するか調べる。」を達成するために、『離散特異点法』に基づく数位計算プログラムを完成させた。この数値計算プログラムの特徴としては、従来の『離散特異点法』を踏襲することにより、計算時間が短いこと、計算精度がよいこと、プログラム自体が簡明であり考察領域の形状や特異点の配置を変更してもプログラム自体の大幅な変更を必要としないこと等の性質を受け継ぎながらも、境界条件を反映させるために、従来と異なり『選点法』を適用したことである。『選点法』を適用したことにより、数値計算の誤差を最小にする特異点配置パラメータの値が従来の値と異なる値になること、及び、そのときの誤差は従来の方法より小さくなることがわかった。即ち、パラメータを最適に選べば、『選点法』を適用したときのほうが従来の方法より計算精度が良いことがわかった。なお、計算時間とメモリ使用量に関しては両方法は同等であった。この数値計算プログラムを用いて「単位円の外部領域」や「無限遠での流れの方向に対して傾きを持つ楕円の外部領域」等で数値計算を行った結果、『抗力係数』や『揚力係数』の計算値は、以前からよく知られている結果とよく一致していることが確認された。今年度の研究成果は次の学会・研究集会で発表した。徳島大学で開催された「阿波ワークショップ'97」で講演、名古屋大学で開催された「日本応用数理学会1997年度年会で講演」、龍谷大学で開催された「応用数学合同研究集会」で講演。今後の研究の展開としては、今年度の研究成果をふまえて、来年度は数値計算による数値解の一意存在と収束等に関する理論的な研究を行う。
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