1998 Fiscal Year Annual Research Report
半無限計画法の理論およびこれに基づく最適制御の数値解法に関する研究
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09740166
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
伊藤 聡 統計数理研究所, 統計計算開発センター, 助教授 (50232442)
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Keywords | 半無限計画法 / 最適制御 / 数値解法 / 最適性条件 / 双対理論 / 関数解析 |
Research Abstract |
本研究は,半無限計画問題に対する実用的な数値解法の開発を第1の目的とし,動的システムに対する最適制御の実用的な数値解法の開発を第2の目的とする.半無限計画問題の決定変数は有限次元であるが,無限個の制約条件を持つため双対変数は無限次元ベクトルとなる.そのため本研究では,関数解析的な手法を用いて最適性条件の解析およびこれに基づいた算法の設計を進めた.初年度は,主に非線形半無限計画問題に対する数値解法の開発を行なった.特に連続微分可能性の仮定の下で,Karush-Kuhn-Tucker型の最適性条件を満たすLagrange乗数(双対変数)の集合は空集合でない限り必ず有限の台を持つ測度を含むことを示し,さらに凸性とSlater型の制約想定を仮定し,双対理論に基づく数値解法を開発した.本年度は,非凸の非線形半無限計画問題に対する数値解法として,双対理論と逐次2次計画の概念に基づいた数値解法について考察し,信号処理等工学の分野で実際に扱われる具体的な問題に対して数値実験を行なった.次に,動的システムに対する数値解法の開発については,前年度は主に半無限計画問題の自然な双対とみなせる特殊な種類の問題について解析したが,今年度は一般の制約条件つき最適制御問題,特に状態に関する不等式制約条件を持つ最適制御問題に対する数値解決について考察した.その他,特殊な構造を持った半無限計画とみなせる非線形min-max問題や一般化半無限計画問題についても考察したが,これらに対する数値解法の開発は今後の課題である.今年度の成果については,国際学会で2件発表し,さらに来年度の会議に3件採択されている.また論文としては,国内誌に1編,国際会議の会議録に1編掲載,1編が掲載予定であり,2編が査読中である.
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[Publications] S.Ito 他: "A dual parametrization method for convex semi-infinite programming" Optimization:Techniques and Applications. 1. 550-557 (1998)
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[Publications] 伊藤 聡: "半無限計画の最適性と双対性" 統計数理. 46・2. 345-358 (1998)
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[Publications] Y.Liu 他: "A semi-infinite programming approach to continuously constrained LQ optimal control problems" 第38回計測自動制御学会学術講演会 予稿集. (掲載予定). (1999)