1997 Fiscal Year Annual Research Report
関数展開法による円盤銀河の3次元シミュレーションに関する研究
Project/Area Number |
09740172
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
穂積 俊輔 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (90229203)
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Keywords | 恒星系力学 / 円盤銀河 / 数値計算 / 関数展開 |
Research Abstract |
3次元自己重力円盤の数値シミュレーションの方法として、系の密度とポテンシャルを適当な基底関数系で展開してPoisson方程式を解く計算コードの開発を行う。そのための基底関数系は、Earn(1996)によって与えられているが、半径方向とz方向の基底関数は連続的であり、離散化する必要がある。そこで、まず、厚さゼロの2次元円盤に対して、Bessel関数を使用して半径方向に連続的な基底関数の場合について離散化の影響を評価した。この場合、N体計算で使用されるsofteningを考慮した基底関数系が作れるので、速度分散のない円運動のみのToomre円盤をN体計算でquiet start法を使用して求めた最も不安定なモードの成長率とパターンスピードを関数展開法で計算したそれらと比較した。関数展開法では、半径方向は波数で等間隔に分割することによって離散化を行い、Bessel関数を含む積分はシンプソンの公式を適用した。使用した粒子数はN=30,000で半径方向の展開項数は32で、角度方向は2本腕モードのみを求めるために、展開項数も2とした。その結果、同じsoftening lengthと粒子数を与えたとき、不安定成長率とパターンスピードはそれぞれ2桁まで一致した。関数展開法では、半径方向の展開係数は、20程度とれば十分であることがわかった。 3次元円盤に対する関数展開法によるシミュレーションコードは現在まだ完全に完成していない。z方向の離散化が完全に出来ていないためであるが、この問題はほぼ解決できる見通しがついたので、本年度中にコード開発を終える予定である。
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