1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09740173
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
太田 耕司 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50221825)
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Keywords | 宇宙X線背景放射 / 活動銀河中心核 / クエーサー / 銀河団 / X線天文学 |
Research Abstract |
ASCA広域探査によって検出されたX線源のカタログが完成し、宇宙X線背景放射(CXB)の約30%(2-10kev)が各X線源に分解された。暗いX線源程平均のX線スペクトルはハードでCXBでの値に近づいていることがわかった。このカタログに基づいて、可視対応天体候補を選定し、その座標、等級、色等を測定した。又、他の波長でのカタログ等との対応関係も調べた。候補天体を撮像データから、明らかに銀河団(Z=0.2-0.3)とわかるもの、I型AGN/QSOの性質と矛盾しない候補天体があるもの、以上のどれにも当たらないもの、に分けると、銀河団のX線スペクトルはソフトで、I型AGN/QSO候補のそれは通常のI型AGN/QSOと同じ位であり、そうでないものはI型よりハードでCXBのスペクトルに近いことがわかった。又、広域探査中で最もハードなX線源については、可視分光でZ=0.07の2型セイファート銀河であることが、判明した。以上の結果はCXBの起源-特に暗いX線源-では2型(吸収された)AGN/QSOが多く存在するという理論モデルを支持するものである。ASCAより位置決定精度のよい(但し0.5-2keVをカバー)ROSAT衛星を用いて広域探査領域の一部の領域について観測を行った。この結果、一部のASCAソースについては、一意的に可視対応天体が決まった。これらの天体を含め3月に分光観測を行っているところである。この他、将来のより深いX線での探査の光学同定を非常に効率的に行うことのできる観測装置の設計も開始した。 今後の計画はASCA-ROSATサンプルを含めて更に分光観測をすすめる。又、深宇宙探査の可視分光観測も予定されているので、これらの観測を通して、X線源の正体を明らかにし、現在考えられているCXB起源のモデルとの比較検討を行う。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] K.Ohta: "Optical Follow-up observations of ASCA Lyax Dcop survey" Astronomische Nachrichten. 319. 71 (1998)
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[Publications] Y.Ueda: "A population of faint galaxies that contribute to the cosmic X-ray background" Nature. 391. 866-868 (1998)
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[Publications] M.Akiyama: "Optical Identification of the Hardost X-ray Source in the ASCA Large Sky Survey" Astrophysical Journal. 500(印刷中). (1998)
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[Publications] M.Akiyama: "Optical Follow-up observations of the ASCA Large Sky Survey" Astronomiche Nachrichten. 319. 63 (1998)
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[Publications] Y.Ueda: "Sky Surveys with ASCA-Large Sky Survey" Astronomiche Nachrichten. 319. 47-50 (1998)
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[Publications] Y.Ogasaka: "Sky Surveys with ASCA-Deep Sky Survey" Astronomiche Nachrichten. 319. 43-46 (1998)
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[Publications] A.Tomita: "H Alpha Velocity Fields of H II Regions in Nearby Dwarf Irregulan Galaxies" Astronomical Journal. (印刷中). (1998)
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[Publications] Y.Yamada: "Clustering of Rod Galaxies new the Radio-loud Quasion 1335.8+2834 at Z=1.1" Astrophysical Journal,Letters. 487. L125-L129 (1997)
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[Publications] K.Nakanishi: "CO(J=3-2)observations of MSIS12-cB58 at Z=2.72" Publications of Astronomical Society of Japan. 49. 535-538 (1997)