1997 Fiscal Year Annual Research Report
ゲルマニウム検出器の波型解析による超高計数率下でのガンマ線計測法の開発
Project/Area Number |
09740190
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田村 裕和 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10192642)
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Keywords | ゲルマニウム検出器 / 超高計数率 / 波型解析 / ガンマ線分光 / ハイパー核 |
Research Abstract |
waveform digitizerをゲルマニウム検出器に接続し,パソコンで波型データを取るシステムを組み、pile upを分解するfitting programを開発した。最適なwaveform digitizerのsampling周波数と時間幅を決め,fitting programを最適化した。 検出器近傍に線源を置いて検出気器を高計数率(10-100kpc)にし、これとは別に,遠くに^<22>Na線源を置き,ゲルマニウム検出器と反対側に別のカウンターをおいて511keVのγ線をtriggerしてゲルマのデータを取り,ゲルマに入ったはずの他方の511keVのγ線が高計数率下で見えるかどうかを調べた。ゲルマの計数率50kpc、shaping amp.の整形時間6μsecにおいて、通常の方法でpile up rejectionを行なうと、低計数率の時の12%しか検出できないのに対し、この方法では40%が検出でき、分解能の劣化もないことが確かめられた。3つのパルスが重なる時や、2つのパルスが短い時間差で重なる時に分解不能となる。しかし、triggerと同時にガンマ線が入ったはずであるという時間情報を用いてパルスの分解を行なえば、こうした事象も分解可能となり、検出効果がさらに向上することがわかった。 この方法の将来の応用として、ハイパー核のガンマ線分光がある。現在建設中のゲルマニウム検出器システムの一部を用い、実際のビームのもとでの検出器の計数率と性能を測定し、通常の読みだし方法の限界を調べた。得られるビーム強度の約半分の2.5×10^6/secのパイオンビームのもとでさえ、通常の読みだし方法での検出効率は低計数率時の約50%であった。つまり本研究の成果を利用すれば4倍近い収量の増大が見込まれることがわかった。
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Research Products
(1 results)