1997 Fiscal Year Annual Research Report
核内有効相互作用の速度依存性と対相関力の変形依存性
Project/Area Number |
09740195
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
坂本 秀生 岐阜大学, 工学部, 講師 (60211265)
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Keywords | 回転系での有効相互作用 / 自己無撞着有効相互作用 / nuclear self-consistency条件 / doubly-stretched pseudo-coordinate / vibrating potential model / 巨視的対称性の回復 / 速度依存性 / 変形依存性 |
Research Abstract |
「平均場+有効相互作用」模型の枠内で、現象論的有効相互作用と一粒子基底とのconsistencyを保ち、原子核の系全体としての並進不変性や回転対称性あるいは粒子数保存などの巨視的対称性の破れを如何に自然に回復させるかという観点から、「自己無撞着有効相互作用の理論」の展開・応用を進めた。「原子核の飽和性と自己無撞着性(nuclear self-consistency)の条件」および「系の巨視的対称性の回復」を指導原理として、有効相互作用の速度依存性と変形依存性について、対相互作用と回転系での有効相互作用について検討した。特に回転殻模型の一体場に無矛盾であるためには、有効相互作用の角速度依存性あるいはスピン依存性にどのような条件が課されるかを調べるため、簡単化したcranked harmonic oscillator potential modelを用いて解析的に検討した。一般のアイソスカラー型多重極振動モードに関係する有効相互作用を統一的に求めるため、非圧縮・非回転的な集団的速度場のモデルを回転系に拡張し、vibrating potential modelの方法を回転系での自己無撞着有効相互作用の導出に応用した。その結果、cranked harmonic oscillator Hamiltonianを対角化する表示として新たに定義した正準座標(pseudo-coordinates:最初の表示での座標と運動量を混合する線形変換で表現される正準座標)によるdoubly-stretched pseudo-coordinatesでの多重極相互作用が導出された。特に四重極相互作用の場合には、従来のLandauの処方では不定であった相互作用行列要素の非対角成分まで求まり、また対角要素はLandauの処方で求めたものと一致することが確かめられた。一方この方法で求められた双極相互作用は、従来回転系での並進不変性を回復させるように導出された相互作用と同等であることが明らかになった。
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