1998 Fiscal Year Annual Research Report
核子のツイスト3スピン構造関数の量子色力学による研究
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09740215
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
田中 和廣 順天堂大学, 医学部, 講師 (70263671)
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Keywords | スピン構造関数 / 量子色力学 / 高次ツイスト / 異常次元 / 共変ゲージ / 深部非弾性散乱 / 光円錐波動関数 / コンフォーマル対称性 |
Research Abstract |
g_2(x,Q^2)のフレーバー一重項部分の任意次数のモーメントの場合に、対応するツイスト3局所複合演算子の独立な組の異常次元行列の計算を進めた。"射影の方法"により、ゲージ不変でない演算子のoperator mixingを完全に除く事が可能となった。フレーバー非一重項部分の場合に比べ計算は格段に複雑であったが、11個の1ループ・ダイアグラムのうち7個のダイアグラムの計算を完了し、これらの結果はBukhvostov,Kuraev,Lipatovの軸性ゲージでの計算結果と一致する事を確認した。残りの4個のダイアグラムの計算も今後完成させていく。 また、g_2(x,Q^2)と同様の手法で解析が可能な2つの問題に取組み成果をあげた: 1. ベクトル中間子の光円錐波動関数の系統的解析を行い、ツイスト2及び3の独立な波動関数の組をQCDに基づいて導出した。特に、波動関数のコンフォーマル部分波展開の方法を発展させた。QCD和則による非摂動的な行列要素の評価も行い、QCDの運動方程式が与える関係式を各コンフォーマル部分波ごとに完全に満たす光円錐波動関数を求めた。結果は現象論的応用に直接役立つ解析的な表式で提出した。 2. ベクトル中間子のツイスト3光円錐波動関数のQ^2-依存性を導出した。波動関数の任意のコンフォーマル部分波に対して、対応するツイスト3局所演算子の独立な組の異常次元行列を"射影の方法"を用いて計算した。得られた異常次元行列のN_e→∞及びj→∞極限を考察し、光円錐波動関数のQ^2-依存性においても、構造関数の場合と同様の著しい簡単化が起こる事を示した(ただし、jはコンフォーマル・スピン)。また、QCDの持つ近似的対称性に基づいて、光円錐波動関数と構造関数の間には、Q^2-依存性について一般的な対応関係がある事を明らかにした。この結果から、核子のツイスト3構造関数g_T(x,Q^2)の奇数次のモーメントに対する異常次元行列も決定、確立した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Jiro Kodaira et al.: "Renormalization of gauge-invariant operators for the structure function g_T(x,Q^2)" Progress of Theoretical Physics. 99・2. 315-320 (1998)
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[Publications] Kazuhiro Tanaka: "QCD corrections to the nucleon′s twist-3 spin structure functions in multicolor QCD" Nuclear Physics A. 629・1,2. 264c-268c (1998)
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[Publications] Patricia Ball et al.: "Higher twist distribution amplitudes of vector mesons in QCD: Formalism and twist 3 distributions" Nuclear Physics B. 529・1,2. 323-382 (1998)
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[Publications] Yuji Koike et al.: "Renormalization of chiral-even twist-3 light-cone wave functions for vector mesons in QCD" Physics Letters B. 437・1,2. 153-159 (1998)
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[Publications] Jiro Kodaira et al.: "Polarized Structure Functions in QCD" Progress of Theoretical Physics. 101・2. 191-242 (1999)
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[Publications] Kazuhiro Tanaka: "Higher twist light-cone distribution amplitudes of vector mesons in QCD" Nuclear Physics A. 出版予定. (1999)
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[Publications] K.Tanaka: "Twist three light-cone distribution amplitudes of vector mesons in QCD" Proceedings of 1998 YITP Workshop on QCD and Hadron Physics. 出版予定. (1999)
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[Publications] 小池裕司 ほか: "奇カイラリティのクォーク分布関数-摂動論的QCDの新展開-" 日本物理学会誌. 53・6. 438-442 (1998)