1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09740221
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Research Institution | Tokuyama Women's College |
Principal Investigator |
室谷 心 徳山女子短期大学, 経営情報学部, 助教授 (70239557)
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Keywords | クォークグルーオンプラズマ / 多重発生 / 原子核散乱 / 流体モデル / 数値解析 / 相転移 / 相対論的流体方程式 / 量子論的ランジュバン方程式 |
Research Abstract |
本研究は、相転移を考慮に入れた3+1次元流体モデルの数値解に基づき、最近の高エネルギー重イオン散乱実験の総合的な現象論的解析を行うことを目指すものである.今年度は特に下記の解析を行った. ●1次相転移モデルの物理現象 最近の格子ゲージ理論の大規模数値計算の結果を鑑み、ハドロン相とクオーク・グルーオンプラズマ相の間の相転移が1次転移であった場合に予想される、相転移温度の時空領域のサイズを、相対論的な流体モデルに基づき数値的に評価し、粒子の質量スペクトルへの影響を計算した. さらに、相対論的流体モデルの数値解析プログラムを改良して、衝突軸方向の円筒対称性を仮定しないモデルへと拡張したものを現在開発中である。 ●熱放出光子のスペクトル 量子論的ランジュバン方程式に基づいた光子の放出確率密度と流体モデルの数値解とを組み合わせて熱放出光子のスペクトルを計算し、最近のCERNでの実験結果との比較を行った。さらに、横運動量分布の漸近的傾きに対する、現象論的な評価式を議論した. ●流体モデルに基づくHBT効果の解析 流体モデルの数値解に基づいて放出x粒子の2体相関を様々な平均運動量及び運動量差の対について計算した.流体モデルの凍結超局面の様子と、2体相関関数をパラメトライズした値を丹念に比較することによって、デカルト式のパラメトライズとYano-Koonin-Podgoretskii流との特徴の比較や、最近話題になっている粒子源のopaque性についての分析を行った。 これらの結果については現在発表の準備中である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Muroya and C.Nonaka: "Numerical Simulation of the Space-Time Evolution of a Quark-Gluon Plasma Fluid with the First Order Phase Transition" Bulletin of Tokuyama Women's Collage. 6. 45-57 (1999)
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[Publications] T.Hirano, S.Muroya and M.Namiki: "Transverse Photon Spectrum from QGP Fluid" Physics and Astrophysics of Quark-Gluon Plasma, B.C.Sinha et.al.ed. (Narosa Publishing House). 133-137 (1998)