1997 Fiscal Year Annual Research Report
電場変調ホールバーニング分光法によるコヒーレントJ会合体中の励起子状態
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09740234
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三沢 和彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80251396)
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Keywords | コヒーレントJ会合体 / 電場変調ホールバーニング / 静的双極子モーメント / 静的分極率 / 不均一広がり / 顕微分光 / 会合体サイズ |
Research Abstract |
J会合体分散試料の吸収スペクトルには、会合体サイズ等の不均一広がりの寄与により、異なるサイトのスペクトルが重畳して現れる。そこで、本研究ではホールバーニング分光によって選択的にあるサイトを励起し、単一サイトの励起子状態を観察することを目的とする。本年度は電場変調ホールバーニング分光装置の開発を行ったが、ホールスペクトルを高い波長分解能で測定するためには、単色光の強度が微弱になってしまうため、十分な信号/雑音比でスペクトルを測定することが困難であった。そこでJ会合体分散試料の試料作成条件を検討し直し、コヒーレントJ会合体が単独に分散している試料を作成した。そして、波長分解能を多少犠牲にして、コヒーレントJ会合体の電場変調スペクトルを測定した。 コヒーレントJ会合体の静的双極子モーメントと静的分極率を求めた結果、シアニン色素会合体において、平均会合体サイズが55個程度と見積もられた。同様に、ポルフィリン会合体についても静的双極子モーメントと静的分極率を求めた結果、平均サイズが5個程度となり、会合体中でのコヒーレントな励起子の拡がりがシアニンの場合と大きく異なる結果となった。 単一サイトのJ会合体を感度よく検出する方法として、ホールバーニング分光の他、顕微分光法についても試みた。実験には、できるだけ少数の会合体からの発光を測定するためシアニン色素の濃度を下げて、スピンコート法により作成したJ会合体分散膜を試料として用い、試料面を高開口数をもつ顕微鏡対物レンズの焦点面に置き、微小領域(直径20μm)からの発光を同一対物レンズで再び集光し、分光器へと導いた。励起光にはYLFレーザーの第二高調波(パルス幅7ns・波長523nm)を用いた。 試料面上の場所の違いにより、半値全幅等の異なったスペクトルが得られ、不均一拡がりの中の個々の会合形態のばらつきを反映しているものと考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Kobayashi and K.Misawa: "Hierarchical structure of one-dimensional J-aggregates" J.Luminescence. 72-74. 38-40 (1997)
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[Publications] F.Qiu, X.Cheng, K.Misawa and T.Kobayashi: "Multiple reflection correction in the determination of the complex electro-optic constant using a Mach-Zehnder interferometer" Chem.Phys.Lett.266. 153-160 (1997)
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[Publications] T.Kobayashi and K.Misawa: "Nevel interferometers for femtosecond phase spectroscopy" J.Nuclear Materials. 248. 386-391 (1997)
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[Publications] K.Masawa and T.Kobayashi: "J-aggregates" World Scientific, (1996)