1997 Fiscal Year Annual Research Report
波数空間分光法によるポラリトンの非線形光学応答の研究
Project/Area Number |
09740241
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡邉 雅之 京都大学, 総合人間学部, 助手 (20240525)
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Keywords | 励起子 / ポラリトン / 四光波混合 / 非線形光学 / 励起子分子 / 空間分子散 / PbI_2 |
Research Abstract |
半導体の励起子準位に共鳴した光を入射するとき、大きな光学非線形性を示すことが知られている。一方、励起子は結晶中の電磁場と相互作用してポラリトンと呼ばれる固有状態を形成する。ポラリトン効果のうち最も顕著なものは同一のエネルギーを持ち波数の異なる2つの横波モードが存在することである。本研究の目的は、2つのモードの光学非線形性を区別して検出することによって、非線形性のミクロな機構に関する知見を得ることである。具体的手法としては、2つのモードの波数が異なる励起子分子への遷移エネルギーが異なることを利用する。測定の基本配置は縮退2光束の四光波混合法である。エネルギーω_1のレーザー光を2本のビームE_1とE_22に分けて試料に照射し、E^*_1E_2E_2に比例した非線形分極による信号を検出する。このとき第3のレーザー光を照射してω_1のポラリトンモードの一方を励起子分子準位へ選択的に励起して消去すれば、そのモードによる非線形信号が減少することが予想される。このようにしてそれぞれのモードの寄与を分離することができる。 今年度は測定の使用する光源の整備とその光源を用いた基礎的な測定を行った。試料としてポラリトン効果の大きな半導体ヨウ化鉛を用いた。まず、反射型配置で縮退四光波混合スペクトルを測定し励起子分子の2光子共鳴エネルギーを精密に求めた。次に2色の反射型偏光分光法を用いて、非縮退条件の2光子共鳴エネルギーを測定した。その結果、2つのモードのうち波数の大きな下枝ポラトリンによる信号が現れないことが分かった。これは、測定に反射型配置を用いたことが一因と考えられる。このため透過型配置による測定を行うために、真空蒸着膜を作製し、膜の質の評価及び改善を図っている。
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