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1997 Fiscal Year Annual Research Report

高温超伝導体におけるボルテックス中の準粒子励起状態

Research Project

Project/Area Number 09740269
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

野原 実  東京大学, 物性研究所, 助手 (70272531)

Keywords比熱 / 状態密度 / ボルテックス状態 / 第二種超伝導体 / 高温超伝導体 / ホウ炭化物超伝導体
Research Abstract

ボルテックス状態における超伝導体の準粒子励起状態についての知見をえるために磁場下比熱測定を行った。今年度は以下の成果が得られた。
(1)単結晶試料の育成 高温超伝導体の典型物質としてLa2-xSrxCuO4(LSCO)、従来型の超伝導体の典型物質としてホウ炭化物YNi2B2Cと(Nbl-xTax)Se2の単結晶を育成した。これらの試料は本研究に用いるとともに、中性子散乱、ミューオン、核磁気共鳴などの各実験のために内外の研究者に供した。
(2)比熱装置の製作 相対分解能が高く小さな試料の測定が可能な熱緩和型比熱装置、および絶対値確度が高い断熱型比熱装置を自作し目標とする性能を得た。さらに高分解能化をめざした交流型比熱装置については今年度導入したロックインアンプを用いることにより目標とする性能を得るめどがたった。
(3)磁場下比熱測定 上述の単結晶と比熱装置を用いて以下の結果を得た。
LSCO-比熱測定から得られた準粒子状態密度は磁場に比例して増大し、d波超伝導体における理論的予想に反して準粒子はコアの外に広がらないことが示唆された。この違いは準粒子の平均自由行程とコア間距離との大小関係によることがわかった。
YNi2B2CとNbSe2-準粒子状態密度は磁場に比例せず低磁場でより大きな値をとることが明らかになった。これは従来からの理論では予想されていなかったことであり、s波超伝導体でもクリーンリミットの場合は準粒子がコアの外に広がり、さらにコア間の相互作用を通して磁場によりコア半径が縮んでいくことが示唆された。
(Nb,Ta)Se2-不純物をドープした場合、準粒子状態密度は磁場に比例し準粒子はコア内によく閉じこめられていることが示唆された。これよりダ-ティな超伝導体においてのみ従来からの理論がよく当てはまることが分かった。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] M.Nohara et al.: "Magnetic Field Dependence of the Low-Temperature Specific Heat of the Borocarbide Superconductor LuNi2B2C" Journal of the Physical Society of Japan. 66・7. 1888-1891 (1997)

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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