1997 Fiscal Year Annual Research Report
圧力誘起による重い電子系Ce化合物の非フェルミ液体的挙動
Project/Area Number |
09740288
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
梅尾 和則 広島大学, 理学部, 助手 (10223596)
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Keywords | 重い電子系 / 非フェルミ液体 / 圧力 |
Research Abstract |
重い電子系反強磁性体Ce_7Ni_3で圧力下において観測された非フェルミ液体的挙動の原因を明らかにするため,本年度は新たに作製した単結晶を使用し,^3He-^4He希釈冷凍機を用いて50mkまでの比熱,交流磁化率の測定,常圧下における中性子回折実験を行った.それらの研究で得られた成果は以下の通りである. 1.常圧下における中性子回折実験からCe_7Ni_3のCeのスピンは1.8kと0.6k以下で異なる波数ベクトルを持つスピン密度波構造を取ることが分かった. 2.圧力下における比熱,交流磁化率の結果からCe_7Ni_3の反強磁性転移温度は圧力増加とともに直線的に減少し,Pc=0.39GPaで消失することが分かった. 3.Pc付近の0.36Gpaの圧力下での比熱C/Tは0.7以上では-logTに比例するが,0.5k以下では-logTの振る舞いから下方にずれて,0.15k付近にブロードな山を持つ.このことはちょうどPcでも基底状態がフェルミ液体的であるというスピン揺らぎのSCR理論による予想と矛盾しない. Pc以上の0.43GPaではそのC/Tは0.2以下で温度に依存しない一定値を取り,フェルミ液体的挙動が回復していることが分かった.しかし,交流磁化率の値は低温でも増加し続けており,それらの温度変化は単純なフェルミ液体論では理解できない. 今後は単結晶資料の更なる純良化を行い,^3He-^4He希釈冷凍機を用いて50mkまでの電気抵抗測定を行う.また,圧力下における中性子非弾性散乱実験から,Pc近傍のスピン揺らぎに対する知見を得る.
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Research Products
(1 results)