1998 Fiscal Year Annual Research Report
赤外磁気光学効果による強相関伝導系物質の低エネルギー励起の研究
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09740296
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
木村 真一 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (10252800)
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Keywords | 磁気光学効果 / 強相関伝導系 / シンクロトロン放射光 / 磁気相転移 / アンチモン化セリウム / 低密度キャリア系 |
Research Abstract |
本研究の目標であった,赤外シンクロトロン放射光の円偏光成分を使った磁気円偏光二色性の測定手法は,本研究1年目にほぼ完成した。本年度は,温度等の制御精度の向上をめざし,装置の改良を行った。 今年度は,アンチモン化セリウム(CeSb)及びビスマス化セリウム(CeBi)の磁気相転移に伴う電子状態の変化を調べた。その結果,どちらの物質でも磁気相転移に伴ってフエルミ準位近傍の電子状態が顕著に変化することが,光のエネルギー0.1-1eVの範囲の磁場下での光反射スペクトル及び磁気円偏光二色性スペクトルで観測された。このエネルギー領域で観測しているのは,価電子帯最上部の配位子のpバンドと,伝動体最下部のCe5dバンド間の吸収であり,光学スペクトルの変化は,それらのバンドが磁気相転移に伴って変化していることを示している。磁気構造が出現することによってエネルギーバンドが折り返されるが,それだけではここで観測された光学スペクトルの変化は説明できない。そこで,価電子帯のpバンドか伝導帯のdバンドが,磁気相転移に伴って大きく動いていることがわかった。このことは,CeSbやCeBiの複雑な磁気相転移を理解する上で重要な情報を与えている。 その他,近藤絶縁体と呼ばれる物質の1つである12ほう化イッテルビウム(YbB_<12>)のエネルギーギャップの生成のメカニズムを調べるために,光反射スペクトルの温度変化やYbをLuに置換した物質のスペクトルの置換量依存性の詳細なデータを得た。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Kimura: "Magneto-Optical Study on GdAs in the Infrared Region" Jpn.J.Appl.Phys.(発表予定). (1999)
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[Publications] S.Kimura: "Infrared Magnetic Circular Dichroism of Strongly Correlated 4f Electron Systems with SR" Jpn.J.Appl.Phys.(発表予定). (1999)
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[Publications] S.Kimura: "Anisotropic optical conductivity of RPtAs(R=La,Ce)" Physica B. (発表予定). (1999)
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[Publications] S.Kimura: "Optical spectra of RB_x(R=rare-earth,x=4,6,12)" J.Electron Spectrosc.Relat.Phenom.(発表予定). (1999)
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[Publications] H.Okamura: "Optical conductivity of the Kondo insulator YbB_<12>:Gap formation and low-energy excitations" Phys.Rev.B. 58. R7496-R7499 (1998)
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[Publications] H.Okamura: "Optical Spectra of the Kondo Semiconductor YbB_<12>" Jpn.J.Appl.Phys.(発表予定). (1999)