1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09740298
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
川野 はづき 理化学研究所, 磁性研究室, 基礎科学特別研究員 (70281649)
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Keywords | Super corcluctivity / Neutron Scattering / Borocarbide / Phonon Anomaly |
Research Abstract |
新しい金属間化合物超伝導体であるホウ素炭化物超伝導RENi_2B_2C(RE=Lu,Tm,Er,Ho,Y)は、比較的高い超伝導転移温度を持つこと、また、磁性と超伝導が競合する系を含むことなどから大変注目されており、その「強い電子相関」「磁気-格子揺らぎ」の超伝導発現機構への寄与が問われている。平成8年度、我々は磁性イオンを含まないYNi_2^<11>B_2C系の中性子非弾性散乱実験を行い、系の超伝導転移に伴い出現する異常フォノンピークを発見した。このような異常フォノンは本研究により初めて観測されたものであり、現在、理論的な原因解明が盛んに行われている。この異常フォノンの原因を明らかにするためには、実験的にもさらなる情報を得ることが重要であると考えられる。そこで、平成9年度は平成8年度に引き続きYNi_2^<11>B_2C系で観測されるフォノン異常についてその特徴を調べた。その結果、この異常フォノンピークは、 1、超伝導転移温度以下で観測される。 2、室温以下でコーン異常が観測されたQとほぼ同じ位置に観測される。すなわち、系のnestingvectorに対応する位置に観測される。 3、ピーク強度は超伝導のオーダーパラメタ的温度依存性を示す。 4、ピークエネルギーは系の超伝導ギャップエネルギーにほぼ等しい。 5、磁場をかけ超伝導を破壊するとこの異常フォノンピークも消失する。 6、異常フォノンピークとTransversacousticフォノンピークとの散乱強度の間にsumruleが成り立つ。 等の特徴をもつことが明らかになった。また、平成9年度は、YNi_2^<11>B_2C系で観測されるフォノン異常を調べるのと平行して、この物質群の他の系でも同様の異常が現れるかどうかについて調べた。その結果、磁性イオンを含むErNi_2^<11>B_2C系でも明らかに同様の異常が現れることを確認した。
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[Publications] H.Kawano: "New phonon peak in superconducting state of YNi_2^<11>B_2C" Physica C. 282-287. 1055-1056 (1997)
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[Publications] H.Yoshizawa: "Interplay between magnetism and superconductivity in HoNi_2^<11>B_2C" Physica C. 282-287. 1315-1316 (1997)
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[Publications] H.Kawano: "Anomalous phonon properties in intermetallic superconductorYNi_2^<11>B_2C" Physica B. (in press).